桜を数える妻とキッチンに立つ夫

3月の終わり、例年より少し早く、背割り堤の桜は満開を迎えた。青空に薄いピンクのソメイヨシノが映えている。私は毎年のように、この桜を観ている。その桜並木を家人と歩いた。家人が言った。

「あと何回桜を観れるかな」

なんでも先ごろ聴いた竹内まりやの曲の中に、同じ問い掛けがあったという。確か「デニム」というアルバムに、そんな歌があった。調べると「人生の扉」という歌だった。私も歌の詩に共感を覚えながら桜を眺めた。そして、桜が散ってしばらくすると、私たちは一つずつ年を取る。

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1300年の都とドミトリーベッドの夜 -春の輪行その2-

梅干うどんを食べて、梅が咲き乱れる桃源郷、月ヶ瀬梅渓を後にした。龍のシッポで名張川とはお別れである。そこから国道25号と県道80号で山道を西へ進む。

水間トンネルに至る峠道は険しく、ペダルは重たい。いつ終わるとも知れない葛篭折れの連続で、もう死にそうだった。水を飲み飲み、休憩を入れて、何とかピークを越えた。小高い丘を幾つかこなして最後はずっと下り、安全走行のためペダルは踏まない。下ったところが、1300年の都、奈良である。

宿を取っていた。近鉄奈良駅に程近い奈良オークホステルという宿である。春の行楽シーズンとあって、市内のホテルはほぼ満員で、直前にどうにか取れたのが、同ホテルだった。

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龍の湖と月ヶ瀬梅渓 -春の輪行その1-

春の早朝。パッキングしたロードバイクを担いで、電車に乗った。自転車業界で言うところの輪行(自転車を手荷物にして電車に乗る事)である。スポーツバイクが人気の昨今、輪行については、あちこちの雑誌やメディアで紹介されている。自転車のパッキングと多少の作法を習得すれば、電車と自転車の連係で活動範囲は格段に広がる。花粉の飛散と共にオヤジの鼻はムズムズ、気持ちはソワソワ、前夜からゴソゴソと支度をして、ひとり善がりなオヤジの旅の始まりである。

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冬のオリンピックとフキノトウ

暦の上では立春を過ぎている。しかしながら今年の寒さは別格、例年になく厳しい冬である。「アナと雪の女王」の仕業か、北陸あたりでは、道が閉ざされて、街が凍りついている。立春とは言うが、どう見ても今が寒さのピークで、春は遥か彼方だ。これほど厳しい冬をくぐり抜けたあかつきに、訪れる春は、さぞかし素晴らしいに違いない。そう期待しておく。

コタツでオヤジにとってのソウルフードのトックを食べながら、テレビで平昌オリンピックを見ていた。しかしまあ、氷上や雪上のスポーツにあまり興味がないせいか、いまいち面白くない。メディアを見るかぎり、今回のオリンピックは、競技そのものよりも、北朝鮮によるオリンピック外交や各国の思惑が注目されている。分断された半島国家の真ん中で開催されたオリンピックの運命か、政治色は強い。さもありなん。

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冬の花と脂肪の鎧

1月最後の日曜日。ここ数日の強烈な寒波のおかげで、大原野の冷え込みも相当に厳しい。気象予報によれば、シベリアから降りて来た寒気団は、何十年に一度のレベルの凶悪寒波だという。降雪は積もるほどでは無いが、朝方の気温は零下、凍てつく冬である。

ここひと月、忘年会、食っちゃ寝の正月、新年会と、オヤジの身体は充実の一途、寒ブリのように脂がのっている。なんとかしようと、少しばかり運動しては、また食うというマッチポンプである。

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神戸元町エビアン珈琲とあすなろの巨木

緑色のエンブレムには「since1952」とある。1952年と言えば、まだ終戦から7年である。喫茶店文化のメッカ神戸元町にあって、間違いなく老舗だ。妻を伴って元町に来ると、いつも立ち寄るのが、エビアン珈琲ショップである。

みごとに昭和チックな雰囲気を醸す店内は、緑色の調度が印象的だ。店の中ほどに着席すると、ウェイトレスが注文を取りに来た。「ホット珈琲2つ」と伝えた。一杯380円也。税込みである。

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スコッチ&レイン -都雅都雅にて-

四条寺町の界隈。昔は電気屋がずらりと軒を連ねていたが、今は夢の跡だ。その寺町通りの一角、雑居ビルの地階に都雅都雅がある。街にはボチボチXmasの装飾が見え出した週末、インチキ風水師こと家人を連れやって来たのは、京都の老舗のライブハウスである。

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