2005年8月アーカイブ

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 台風11号が近づいていた。台風が暖かく湿った空気を運んできたおかげで、京都も蒸暑かった。そんな不快な気候にもかかわらず、吉祥院天満宮の境内には大勢の大人や子供で賑わっていた。どちらかと言うと小ジンマリした参道と境内に露店がずらりと並ぶ風景は昔と変わらない。でも子供の数は昭和の時代に比べると確実に減っているのだろう。
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 台風の影響だろうか、この日行われるハズだった六歳念仏踊りは翌日に延期になったそうだ。子供の頃、小銭を握り締めて何度も来ていたハズだけど、六歳念仏踊りをまともに見た記憶はない。りんごあめやら、カキ氷やら、なんやらかんやら、モノを買うのに必死だったのだ。まあ小学生あたりに地元の伝統芸能に興味を持てという方が無理というものだ。京都五山送り火が終わって、この祭りが終わると夏休みも本当に終わるのだ。長い長い夏休みだったけど、永遠には続かない事を知らされる時期だった。

 午後の木津川自転車道は暑いながらも、吹く風は真夏のそれとは違っていた。少し乾いた空気が川原から流れて来て体の熱を奪ってくれる。余り頑張らず、でもそこそこ頑張って、ケイデンス75から80辺りでペダルを回す。秋の気配がしないでもない八幡の田園風景をしばらく行くと木津川大橋にぶつかる。そこは木津川と国道1号線の交わった場所である。木津川大橋の下を潜りぬけ、流れ橋を目指すのがいつものパターンであるが、この日は変えた。国道1号線に出て一路南へ進む。行き先は枚方辺りではチョット有名なあのオアシスである。


 軽いギアで八幡洞ヶ峠を登って行く。登った所が京都府と大阪府の県境である。路肩は余り広くないし、ダンプが脅してくるので、歩道を走る。枚方家具団地を過ぎしばらく行って、出屋敷という交差点で東に折れる。すると直ぐに、ウッソウとした森林が現れる。山田池公園である。
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 山田池公園は国道にほぼ隣接していると言える。ホコリっぽい国道脇に忽然と姿をあらわす森林はまるで砂漠のオアシスの様だ。林道に入ると空気の冷さがハッキリと感じられた。が鳴く木陰は涼しい。池の周りを半周ほどして水辺で休んだ。この贅沢な空間は、京都の桂大橋からおよそ27kmの距離だ。ロードバイクがあれば、僕の足でも1時間でたどり着く。

 近い将来、消費税が二桁になり、もらえる保証のない年金や保険料が家計を苦しめる。多くの年寄りを抱える日本は「重税国家」へ道をまっしぐらに進んでいる。その一方で役人達の金にまつわる乱脈ぶりはどうだろう。怒ってはいるが、やはり慎ましやかな日本の社会で支配的なのは、あきらめや閉塞感だろうか。奇しくも公約通り自民党をぶっ壊した小泉内閣が「改革の本丸」と位置付ける郵政民営化に関して雑感を少し書く。

 
 国家予算の5倍、430兆円という郵政マネーは、元はと言えば郵貯や簡保に集まった国民の財産である。しかし、その金は法律で民間には貸せない事になっている。では何処で運用するのかと言うと、道路公団、住宅金融公庫のような特殊法人や地方自治体あるいはその外郭団体などに貸し出されている。これを財政投融資というが、その規模から「第二の国家予算」とも呼ばれている。


 ところが特殊法人や地方自治体の外郭団体はどれもこれも無責任でいい加減な所が多い。仕事を何処かに「丸投げ」して海外を遊び歩いている特殊法人の役員がテレビや雑誌でしばしばヤリダマに上がっているが、どう考えても存在自体が社会悪である。しかもコスト意識がまるで無いから、それこそ「ドブに金を捨てる」ような事が繰り返されいるのが実態だ。特殊法人や自治体の外郭団体のやりたい放題は、マスコミの吊るし上げにもかかわらず、一向に改善されないようだ。使った「湯水」のツケは必ず税金という形で国民に回される。「蛇口を閉める」という意味からも民営化は意味のある事だろうと僕は思う。

 
 「郵政民営化には賛成だが、この法案は賛成できない」
郵政民営化に反対した議員たちの言い分でよく聞かれる意見だ。「総論賛成、各論反対」というワケである。詭弁もいいところである。「この法案」の後に「他の法案」があると思っているのだろうか。改革が本当に必要と思っているのなら法案を通す事が先決で、小泉政権で民営化ができなければ永久に実現できない事ぐらいは僕にだって判る。

 
 忘れてはならないのは、反対している議員も全員、郵政民営化こそ最大の政治課題とした小泉を党総裁に掲げ、「民営化賛成」を口にして選挙を戦って当選した人間である。「殺されてもいい。それくらいの気構えでやっている」とまで言ってのける小泉首相に比べれば、「我田引水」の族議員たちの言い分は説得力が無さすぎる。反対派には「強引すぎる」「ヒットラーだ」なんて意見もあるが、さもありなん、自殺途上にあるこの国を救えるのは変人か、さもなければ独裁者ぐらいだろう。

 
 「改革」を叫び当選しておきながら、「自分の信念は曲げられない」と自民党岐阜県連で芝居じみた涙を流した野田聖子元郵政大臣には何かヘンテコだ。そして昨日、反対派の綿貫氏、亀井氏らによる「国民新党」結成の記者会見が行われた。話の中身は、自分達を追いやった自民党執行部への恨みつらみ以外は、大した話もなかった。記者会見のくだりで綿貫氏はこう言った。
「私たちは何も民営化には反対では無いんです、しかし・・」
何なんだろうか・・
asahi.com: 亀井静香氏ら新党結成へ 郵政反対派を募る?-?政治

夏の相棒

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 愛称はヤッピーと言う。毎年夏になると事務所の窓に現れるヤモリのことだ。真夏の夜、窓の灯りに誘われて網戸に蚊や虫が群がる。それを捕食しているのがヤッピーだ。今日はよほど機嫌が良いのか、こうして昼間に姿を見せている。
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 僕はいつもヤッピーの居る窓に背を向けて座っている。距離にしておよそ3mぐらいである。ここに居る目的はそれぞれ違うけど、そんな距離間でお互いひと夏過ごすのだ。蒸暑い夜には必ずそこに居て、気が向いたら虫を食べている。捕食の瞬間を何度も見せてもらったが、それは目にも止まらぬ早業だ。動いたと思ったら次の瞬間に獲物は口の中にある。モノ言わぬ相棒がパフォーマンスを見せてくれた瞬間でもある。


 気楽そうに蚊や虫を食べるヤッピーであるが、危険が無い訳ではない。食物連鎖のピラミッドの中で見れば中位に位置するヤモリやトカゲは常に上位のカラスやトンビに狙われているのだ。だから昼間はメッタに姿を見せない。用心深いヤッピーは忍者でもある。何と彼のスーツはいろんな色に変化するスグレモノだ。コンクリートの壁にだって隠れてしまう保護色は見事だ。そんなヤッピーとも、もうすぐお別れである。

 スキマスイッチの「全力少年」が好きだ。アップテンポなリズムと爽やかな歌声が印象的な歌である。春先からドコモのCMで流れていた事もあって大ヒットしたようだ。「あの頃の僕らはきっと全力で少年だった」と言うサビのフレーズはもう物覚えが悪い中年男の耳にもシッカリ残ってしまった。
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 エアコンで甘やかされた体は動くのが億劫になっている。それではダメだと、夏バテ気味の体に鞭打って自転車に乗る。例によって桂大橋から自転車道に入る。炎天下の自転車道では陽炎がたって田んぼを歪めている。肺に入れるのが躊躇われるぐらい生暖かい空気を吸ってペダルを回す。それでも汗をかくにしたがって体は軽くなってくる。まだまだ行けるぞ、もっと回せ、と頭は言ってくる。心肺能力アップに良いとされるケイデンス90辺りで走ってみる。うーん、これを保ち続けるのは相当キツイ。80前後で堪忍してもらおう。仕事もあるし、真夏だし、中年だし・・。

 8月のある日の夕暮れ、吉祥院から上鳥羽あたりの街道をうろついた。涼しいとまでは行かないが、昼間の殺人的な陽射しに比べたら、それはそれはしのぎ易い。移動手段は、燃料は三度の飯、エンジンは自分、排気ガスはおろか地球に有害な物質は一切出さない、という今注目のあの乗り物である。吉祥院と同様に農村部の面影を残す上鳥羽は民家や商店に混じって古い農家が点在している。このあたりでは有名な、今時70円から買える自動販売機が健在である事を確認し、上鳥羽小学校を横目に南へ進む。
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 街道から国道1号線に出た。ちょっと前、世間を騒がしていたドンキホーテやバベルの塔のようなNTTビルを過ぎると道はやがて川にぶつかる。鴨川である。市内の碁盤の目に沿うように縦に流れてきた鴨川はこの辺りでは斜めに流れている。流れはこの先で西高瀬川に合流して、さらに桂川に吸収される。その鴨川に架かる鳥羽大橋を渡ったところが京都の玄関口、南インターチェンジである。
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 刻々と夕闇が迫る中、名神高速を潜り抜け更に南へすすむ。ほどなく賑やかなネオンや看板と伴に交差点が現れる。赤池交差点である。地名の由来は、その昔誰かが誰かを刀で切って、その血で付近の池が赤く染まったという事らしい。(詳しくは「赤池」「源平盛衰記」「袈裟御前」などで検索すると何か出る)しかし、池など何処にも無い。今や、赤池という怪しげな地名を補う物は赤いネオンだけだった。

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