2月の曇天のある日、どういうわけか寺町通りにやって来た。何か食べないと歩けそうもないので、進々堂寺町店で日替わりランチを食う。朝昼兼用。パンは食べ放題、コーヒーは飲み放題だ。勧められたのでコーヒーは二杯飲んだ。945円也。それから進々堂を出て通りを南へ歩いた。いろんな店がある。ざっと目に入ったモノを挙げると、古本屋、古着屋、花屋、喫茶店、レストラン、ミシン店なんてのもあった。しかし、目立つのは骨董屋の類だ。ショウウィンドウには値段の判らない怪しげな古物が並んでいた。
梶井基次郎の「檸檬」という小説は寺町通りが舞台になっている。高校の時、現代国語の教科書にそれが出てきた。普段は授業なんて真面目に聞いてなかったのだが、変な新任の国語教師の話が面白くて、印象に残ってしまった。同小説は若くして肺結核を患った主人公である著者が寺町通りを「浮浪」して立寄った果物屋で檸檬を買うという話である。文章は押しなべて観念的でどちらかと言うと訳が分からなかったりする。しかし、今読み返してみても相当面白い。ぶっ飛んでいるのだ。有名な短編小説だから解説だの薀蓄だのはネット上にもイッパイある。解釈は百人百様だろうと思う。
寺町通り二条の角に八百卯という果物店がある。小説「檸檬」で主人公が檸檬を買った店である。二条通側のショウウィンドウには小説「檸檬」の紹介記事と伴に檸檬が並んでいた。なんだか檸檬専門店のように見える。同小説のくだりで、主人公はふらりと河原町通りの丸善に入り、爆弾に見立てた檸檬を書棚に仕掛けてくるのだが、同小説にはこう書かれている。
「丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。」
「そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉(こっぱ)みじんだろう」
もちろん基次郎の仕掛けたあの爆弾は爆発することはなかったけれど、丸善は昨年の秋に閉店してしまった。




独特の雰囲気のある寺町通に「檸檬」の舞台となった八百卯のショーウィンドゥは今もよく似合ってます。
「レモン」でなく「檸檬」と書くとなんとも風情を感じます。
さだまさしの「檸檬」という曲思い出します。
近くに京都市役所、寺町商店街のアーケード通があるのがまたいいです。
今日は河原町通を通るバスから京都市役所を見てました。
帰りは京都駅の進々堂でパンを買って家族へのお土産としました。
yumeさん、今晩は。
寺町のアーケード街も味がありますね。
この日、ZESTの地下街に初めて下りたのですが、なんか寂しい雰囲気でした。新聞か何かで読みましたが、余り上手くいってないそうです。それにしても丸善の閉店は残念です。
トラックバックありがとうございました。
福島に脱走しておりまして承認が遅れました。
私も娘の寮に泊まり(この女子寮はなんと男でも家族なら泊まれる)朝食に進々堂のパンを買出しに来たものです。
娘は今私の組んでやったMTBは実家に置き5000円也のママチャリを愛用しています。
私も寺町通りの雰囲気は好きです。今度八百卯も覗いて見ましょう、ミシンやさんもね
あっ、今日寺町の進々堂の前を通りました。
パンのいい匂いが寺町通りに流れていて、今日は匂いだけ味わわせて頂きました(^^;)
私も「檸檬」を高校の時に読みました。
当時「京都の大学に行くことになったら、八百卯で檸檬を買って丸善に置きに行くんだ」と本気で考えていました。(三重の山奥で京都に憧れるあまり、目標のベクトルがおかしな方向へ・・・。)
その後京都に来てから丸善に行く機会は何度もあったのに、結局檸檬は置かずじまいでした。小心者です。
yurarinさんへ
福島は如何でしたか。
こちらこそ、コメントありがとうございます。
エランさん、今晩は。
D大学の女子寮は家族限定とはいえ男も泊まれるとは!
エランさんは泊まられたのですね。それは凄い。
何を隠そう私には、この春、小学校へ上がる娘がいます。
頑張ってもらいましょうか(笑)。
てくすけさん、今晩は。
昨年秋に丸善が閉店する間際、檸檬を置いて帰る人が続出したそうです。
それが八百卯の檸檬だったかどうかは不明ですが・・。
てくすけさんは、念願かなって京都で暮らしておられるわけですね。
京都は期待通りの街でしたか。
ここで生まれて育った中年オヤジには、京都が良いのか悪いの判りません。
そうそう先日、台湾ラーメン食べました。
旨かったです。
まささん今日は。
いや~とても面白い記事ですね。
まさか丸善が無くなるとは、でも、K新聞には河原町界隈の小中の本屋全滅と記事がありましたよ。
で、今度はB○Lに大型本屋が入るんですよね。
果たしてB○Lにある本屋に足が向くでしょうか?
潮の海さん、今晩は。
大型書店は嫌いじゃありませんが、街の本屋が潰れていくのは残念ですね。
しかし、BALに本屋というの何かイメージが湧きません。