2006年7月アーカイブ

 外でどんな辛い事があろうとも、その人は何時も自分の味方で、帰れば、暖かく美味しい料理を作ってくれる。愛情に裏打ちされたモテナシしは、何の見返りも前提としない。母の手料理とはそういうモノじゃないだろうか。無論どんな高級料理だって敵いはしない。そんな人々の祈りに応えるような店がある。韓国家庭料理の店「はぬる」である。
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 暖簾をくぐれば、カウンター越しに笑顔で迎えてくれる。アジュメと呼ぶにはまだまだ若いお姉さんである。ビールを飲んで、ニラちぢみを食べれば、疲れも飛ぶ。気取らない雰囲気の中、母性と包容力に逢える店。味は三ツ星。「はぬる」とは韓国語で「空」。女性客も多い。月曜定休。四条佐井通り下る。tel 075-313-6362 

梅雨時

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 祇園祭の頃、京都はよく雨が降る。雨の慣わしは今年も健在で、山鉾巡行の日を待ち構えていたかのように大雨が降った。山鉾を方向転換させる"辻回し"では普通、滑りを良くするために車輪の下に割竹を敷いて水を撒くのだが、今年は撒き水は必要なかっただろう。まあ見に来た人には気の毒なくらい降りたおしていた。関西あたりでは祇園祭が終わると、たいがい梅雨が明ける。
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 週間天気予報を見ると今週は傘マークのオンパレード。どうも自転車には乗れそうも無い。腕立て伏せと腹筋でもやったるか。50回ずつと言いたいが、無理はいけない。30回ずつにしておこう。写真は藤森神社の紫陽花。花言葉は"心変わり"。

 W杯ドイツ大会はイタリアの優勝というよりは"ジダンの頭突き"で幕を閉じた。優勝したイタリアへの賛美は何処へやら。善くも悪くも、新聞やテレビは「ジダンの頭突き」一色である。昔、サッカーに明け暮れたオヤジがチョット感想を書く。


 踵を返したジダンが、つかつかと歩み寄ってマテラッツィの胸元に"パッチギ"を放り込んだ。テレビでその場面を何度も見せられた。見事だった。演技よろしくマテラッツィは大袈裟にピッチに倒れた。ジダンはレッドカードで退場となってしまった。


 サッカーの試合では暴力行為で選手が退場処分になるなんて事はザラにある。ただ今回に限っては事情はチョット特別なようだ。事件を深刻にしている要因が幾つかある。それは先ず、舞台はW杯の決勝であった事。退場処分となったジダンはフランスの英雄であった事。そのジダンはこのW杯で引退を決めていた事。ジダンはアルジェリア移民の子だった事。どうやらマテラッツィは人種差別もしくはそれに近い事を言ったようである事。日本でも大変な事件として報道されているけれど、サッカー立国がひしめく欧州あたりでは、それはそれは大事件である事は想像に易い。
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 テレビで会見したジダンによると「母と姉に対する誹謗中傷を繰り返し受けた」と言っている。歯切れの悪いマテラッツィの発言を合わせて考えると、どうせロクな事は言っていないだろう。しかしながら、僕はジダンの行為が良いとも思わないし、退場処分とした主審の判断も当然だったと思う。蹴りだのパンチだの頭突きだの、そんな行為を許していたらサッカーにならない。ただ、家族を中傷されてカッとなったジダンの事を僕は嫌いじゃない。


 一連の報道を見ていると、事の本質は「差別や人種」といった事に集約されてきそうだ。そうなれば事は簡単には治まらない。ジダンの行動は少々稚拙だったかも知れない。でもそれによって世界中に流れた映像は、あらゆる人種を飲み込んだ唯一のスポーツであるサッカーが、そうであるが故に患う病巣の一端を晒した瞬間でもある。そして、肌の色も、宗教も、貧困も、全てを巻き込んだ戦いがサッカーなんだと改めて思い知らされた。僕は頭突きでピッチを去ったジダンを見たとき、アジア人が勝てない理由を見たような気がした。FIFAがジダンに与えた最優秀選手の称号を取り消すというならそうすればいい。家族と自らの尊厳を護るためレッドカードで現役最期を迎えたサッカー選手、ジダンを僕は忘れない。

 
 文章冒頭の"パッチギ"とは韓国語で「頭突き」の意味。ついでに言うと"パッチギ"は放り込むモノだ。昨年、井筒和幸監督の作品で同名の映画がヒットした。あれは面白かった。写真は我家のインチキ風水師が作る夏の定番、冷麺。味はまさに"パッチギ"だろうか。

 家を出たとき既に北の空には黒い雨雲が屯していて、今にも泣き出しそうだった。それでも少し走ろうと愛車に跨り自転車道を北へ向いた。松尾橋に差し掛かったところでとうとう雨が降って来た。雨足が急速に強くなってくる。しかも大粒だ。濡れながらもペダルを速めて阪急嵐山駅に辿り着く。駅の軒下で雨宿りした。
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 人気も疎らな駅の軒下でボーっと見物していると、雨の勢いは物凄い事になってきた。梅雨雲はここしばらく降りそうで降れなかった鬱憤を晴らすかのようで「バケツをひっくり返した」とはこういう場面か。しかし、狂ったような降水はそう長くは続かなかった。10分も経つと雨足は弱まって、西の空から太陽が見え出した。俗に言う"狐の嫁入り"である。降ったり晴れたり忙しい。でもお陰で早く動き出せそうだった。


 雨上がりの嵐山をウロウロ。天竜寺の蓮池には拳大の蕾が並んでいた。開花はもう直ぐだろう。道も建物も山の緑も洗浄器で洗われたようでピカピカだ。本当は北山へ行きたいところだったが、天気は不安定だし道も悪いだろうから止め。自転車道でお茶を濁して帰宅。暑い。腹へった。

2008年12月

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