佐々里峠に挑むのは1年ぶりだった。頭上の山は天までそびえている。長い登りだ。みーこさんにはいつも苦しい場面を引いてもらっている。今回も有り難い同伴者の背中を見ながら坂を登った。ところどころで勾配が増したりする。ギアが足りない。おやじローディ御用達のコンパクトクランクは当たり前としても、スプロケットの11‐23というのはどうもいただけない。見栄を張りすぎだ。中腹あたりで一度泣きを入れてから、再び漕ぎ出した。
僕は必殺技を使った。その名も「おやじ蛇行」"自転車おやじ神拳"(なんやそれ)の奥義だ。それは葛篭折れの峠道の道幅を使って更に蛇行するという禁じ手である。悲鳴をあげる脚を少し楽にしてくれるが、道幅が狭い場所や交通量が多い場所では使ってはいけない。轢かれてしまうからだ。奥義を尽くしてゼイゼイ言いながら峠に辿り着いた。
佐々里峠には山小屋がある。ハイカーのための避難小屋だろうか。小屋の壁が石で出来ているのを見れば、そこが雪深い場所だと判る。奥にはお地蔵さんが居る。そこで少し休憩して再始動した。
下りは安全第一で慎重に下った。黄色いラッパ水仙が咲く広河原を経て花背に至る。「きぬ川」というお店でウドンとご飯と明太子にありつけた。店は休みだったが、快く招いてくれたご主人に感謝。いい人だった。
店を出てすぐ、みーこさんにアクシデントが発生した。詳細はココで。その後はハンドルが上手く握れないようだった。
あとは京北町を横断する国道477号をひたすら西へ進んだ。常照皇寺で休憩を挟んで日吉ダムまで美しい道が続いた。おやじ殺しの峠の苦しみは割り引いても、100キロ以上もの距離をストレス無く走れる美山、京北の道は素晴らしいと思う。「わざわざ走りに来る価値はある」とfunrideには書いていた。おまけにゴールには温泉まである。休みだったけど・・。春風に吹かれた110km、おやじローディ冥利に尽きる旅だった。



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