大原野の中庸

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 大原野は、街道の交差点だ。西へ西国街道、北へは丹波街道が延びている。文字通り、京都の西玄関口である。玄関口などと言えば聞こえが良いが、ちょっと昔は大変だったらしい。しばしば輩(やから)が出没したという。都に出入りする者は大金や高級物資を持った人も少なくなかったから、半ば山賊化した土豪たちはソレを狙って、追剥(おいはぎ)を繰り返したという。都の出入りも命懸けだったか。

 山賊の巣窟だった大原野も今は昔だ。70年代以降、開発が進んでどんどん人が移り住んで来た。バブルと呼ばれた80年代の後半、政治家や一部の偉い人達は、この地に地下鉄と通すとブッていた。日本の銀行は世界一になったと嘯き、「一億総中流」なんて呼ばれた時代である。

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 景気が急に失速した90年代、多くの開発が頓挫した。同じ頃、僕は母を亡くした。故人は大原野に眠る。自他共に認めるマザコン中年は、未だその懐を徘徊している。写真は大原野に実った柿と徘徊する辛子Bianchi号。21世紀になった今、大原野に地下鉄は来なかった。べつに来なくてもいい。

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