晴天にめぐまれた5月の日曜日、家出した。駆るは、性懲りもなく、「俺もまだまだイケるんじゃないか」という50男の妄想と勘違いを見事に演出してくれるロードバイクである。この乗り物には、自動車メーカーがいくら燃費計算のインチキをやろうが、化石燃料の類はいっさい必要ない。乗り手が食ったモノ、それこそが燃料だ。巷では省エネだのエコだのと、命題のように聞かれる昨今だが、ロードバイクこそが、正真正銘、究極のエコマシーンである。
柳の新芽がまぶしい桂川。5月の日曜日ともなれば、自転車道はサイクリスト達で盛況だ。この日は有難い事に同伴者がいた。同級生のランニングサークルを率いるKさんである。どこへ行こうか、何を食べようか、などと話をしながらペダルを進めた。
流れ橋は、この春に新装開店した。毎年の様に大雨で流されて、その度に数千万もの費用が掛かるから、「流れない橋を造る」という計画が発表されたのは一昨年の事である。
どんな橋が出来るんだろうと心配したが、新しい橋は、以前と同じような風情ある木造橋である。見た目は木造だが、支柱はコンクリートで基礎工事がなされている。ちょっとやそっとじゃ流れない”流れ橋”になった。どれほど堅牢かは、秋の大雨や台風で試されるハズだ。
流れ橋からずっと南、玉水橋を渡って井手町に入る。井手町から和束町へ延びる府道321号は南山城の山に分け入る上り道だ。これがだらだらと長い。そして峠に至る最後の傾斜がきつい。必死のパッチでよじ登って、やっと峠にたどり着いた。
下り道。これまた大変。ジェットコースターのように落ちて行く。とてもじゃないがペダルは踏めない。おやじローディは安全が第一。ブレーキは握りっぱなし。下りた所が茶所和束町、茶畑の真ん中だ。
新茶の季節。和束町は茶摘みの風景があった。ここからは府道5号、木津信楽線を行く。茶畑街道を北へ漕ぎ進む。行き着く所は狸の里、信楽である。
信楽。既に70キロを走っていた。腹ペコのおやじ二人が吸い込まれたのは、巨大な狸の腹の中である。ここは美味しいうどんの店だ。Kさんはカレーうどん、私は冷やし狸うどん、どれも稲荷寿司付き。たちまち平らげた。
数キロ移動してデザートを食べた。茶のみやぐらの抹茶アイス。この店の抹茶アイスは美味い。私はリピーターだ。
宇治田原、天瀬ダム、宇治橋を経て、伏見まで帰って来た。ここまで実に100キロ以上の走行。酒蔵の前でヘタリ込んだ。ちょっと頑張り過ぎた。身体のあちこちが軋む夕暮れ時だった。
茶畑もタヌキも圧巻ですね
食ったもん燃料だと エコで体重もスリムになって一石二鳥じゃないですか
うちの子はその日 榛名山クライムヒルに出場してました
ロードレースたけなわですね
はむさん、今晩は。
食ったモノを燃料にして走るのですが、ちゃんと消費しないうちに、すぐにまた食っちゃいますから困りものです(笑)。
「ハルヒル」そりゃいいですね。関東あたりじゃ、人気のイベントです。さすがアスリートのお兄ちゃんです。行きたい所へ行って、やりたい事をする。若い人は羨ましい。