サッカーの最近のブログ記事

 W杯ドイツ大会はイタリアの優勝というよりは"ジダンの頭突き"で幕を閉じた。優勝したイタリアへの賛美は何処へやら。善くも悪くも、新聞やテレビは「ジダンの頭突き」一色である。昔、サッカーに明け暮れたオヤジがチョット感想を書く。


 踵を返したジダンが、つかつかと歩み寄ってマテラッツィの胸元に"パッチギ"を放り込んだ。テレビでその場面を何度も見せられた。見事だった。演技よろしくマテラッツィは大袈裟にピッチに倒れた。ジダンはレッドカードで退場となってしまった。


 サッカーの試合では暴力行為で選手が退場処分になるなんて事はザラにある。ただ今回に限っては事情はチョット特別なようだ。事件を深刻にしている要因が幾つかある。それは先ず、舞台はW杯の決勝であった事。退場処分となったジダンはフランスの英雄であった事。そのジダンはこのW杯で引退を決めていた事。ジダンはアルジェリア移民の子だった事。どうやらマテラッツィは人種差別もしくはそれに近い事を言ったようである事。日本でも大変な事件として報道されているけれど、サッカー立国がひしめく欧州あたりでは、それはそれは大事件である事は想像に易い。
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 テレビで会見したジダンによると「母と姉に対する誹謗中傷を繰り返し受けた」と言っている。歯切れの悪いマテラッツィの発言を合わせて考えると、どうせロクな事は言っていないだろう。しかしながら、僕はジダンの行為が良いとも思わないし、退場処分とした主審の判断も当然だったと思う。蹴りだのパンチだの頭突きだの、そんな行為を許していたらサッカーにならない。ただ、家族を中傷されてカッとなったジダンの事を僕は嫌いじゃない。


 一連の報道を見ていると、事の本質は「差別や人種」といった事に集約されてきそうだ。そうなれば事は簡単には治まらない。ジダンの行動は少々稚拙だったかも知れない。でもそれによって世界中に流れた映像は、あらゆる人種を飲み込んだ唯一のスポーツであるサッカーが、そうであるが故に患う病巣の一端を晒した瞬間でもある。そして、肌の色も、宗教も、貧困も、全てを巻き込んだ戦いがサッカーなんだと改めて思い知らされた。僕は頭突きでピッチを去ったジダンを見たとき、アジア人が勝てない理由を見たような気がした。FIFAがジダンに与えた最優秀選手の称号を取り消すというならそうすればいい。家族と自らの尊厳を護るためレッドカードで現役最期を迎えたサッカー選手、ジダンを僕は忘れない。

 
 文章冒頭の"パッチギ"とは韓国語で「頭突き」の意味。ついでに言うと"パッチギ"は放り込むモノだ。昨年、井筒和幸監督の作品で同名の映画がヒットした。あれは面白かった。写真は我家のインチキ風水師が作る夏の定番、冷麺。味はまさに"パッチギ"だろうか。

 W杯サッカーについて少し書く。思えば数年前、アジア初の開催国を巡っての綱引き合戦の末、FIFAが下した決定は、日韓で共同開催せよ、というモノだった。えっ、そんなのありかよ、と思ったが、商売上手なFIFAが考えそうな"落し処"を両国は受け入れた。かくして、世界最大の祭典は、欧州でもなく、南米でもなく、アジアの小さな半島と島国にやって来た。


 開催国である日本と韓国の快進撃が鮮烈だった。日本は悲願の決勝トーナメント進出を果たし、他方、韓国に至っては欧州の列強をなぎ倒し準決勝進出という快挙を成し遂げた。いくら地の利があるとはいえ、韓国があそこまでやるとは思わなかった。野球大国日本もこの時ばかりはサッカーに沸いた。


 2002年の熱狂から4年が経った。時の流れの速さに唖然とするばかりだ。今大会、嬉しいのは、日本と韓国がそろって出場する事である。在日の僕にしてみれば、"育った国"と"ルーツの国"がそろって出るというのは願ったり叶ったりで、それはそれは楽しみにしていた。楽しみは二倍だ。ただ、今回のW杯は前回とは大分勝手が違う。何せ、戦いの場所は欧州サッカーの総本山、ドイツである。日本と韓国にとっては"超"の付くアウェーだといえる。


 オーストラリア戦の当日、僕は朝から落ち着かなくて、それで自転車に乗って気を落ち着かせていた。対戦日程を見れば"初戦が全て"だという事は分かり過ぎた命題だった。先制した日本だったが、後半の最後、目前だった勝利が、勝ち点が、掌をすり抜けた。


 相手の将は2002年に韓国を準決勝に導いたヒディングだった。何の因果だろうか。負けた翌日の新聞はジーコの采配をメッタ切りにした。そしてヒディングはまたまた株を上げた。敗因を分析しするのも大切だろうが、それはもう、そこそこでいい。力が拮抗する相手との消耗戦に必要なのは、やはり強い気持ちだ。


 韓国はトーゴ相手に鮮やかな逆転勝利だった。逆転弾を決めた安貞桓(アン・ジョン・ファン)が脚を振り抜いたのはPエリアのずっと手前だ。シュート数ではオーストラリアの半分以下で負けた日本に足りなかったモノは、もう十分にマスコミが並び立てている。はっきり言ってクロアチアは強敵だ。しかし、日本が最高のパフォーマンスを見せれば勝てる相手だ。こういう試合の土壇場では精神力がモノをいう。高原は、柳沢は、前線は、相手を二、三人引きずってでも、なぎ倒してでも、シュートを打て!決戦まであと4時間、日本の勝利を信じる。

 ジーコジャパンは北朝鮮を見事打ち砕いて、W杯出場を決めた。ジーコ監督も選手達も本当によくやったと思う。そして韓国もドイツ行きを決めた。二つの国が出場決定した事は素直に嬉しい。在日三世の僕にとっては韓国が「祖国」ならば日本は「母国」だ(こういう表現が適切かどうかは判らない)。来年、ヨーロッパサッカーの総本山とも言えるドイツで日本と韓国の活躍を見る事ができれば、それは最高である。


 先の2002年日韓共同開催W杯では、日本でも多くの人がこれまでに無いぐらいナショナリズムの高まりを感じたのではないだろうか。そんな高揚感をもって応援できるのは楽しい事だ。それは人類共通のスポーツ、サッカーならではだろう。日本人は日本代表を韓国人は韓国代表を応援して燃え上がるのが正しい楽しみ方である。国家的アイデンティティという面では流浪の在日はどうするのか。W杯で日本と韓国が当たるような事があった場合、どちらを応援するのか。そんな場面を勝手に想像して、僕は悩んでしまう。

 
 今、僕の身の周りにサッカーW杯ほど民族を意識させてくれる事象はない。が、民族的にどういうスタンスでW杯に臨むのかが曖昧だ。いくら祖国は韓国だといっても、選手の顔も名前もロクに知らないチームを応援できるだろうか。日本にいる以上、日本代表の情報量が圧倒的で選手一人ひとりに馴染みがある。中田や俊輔や小野の活躍が見たいと思っている。どうやら韓国と当たったとしても日本代表を応援したいと言う気持ちが強いような気がする。でも韓国人の僕が日本を応援するのもチトおかしい様にも思える。正直なところ、自分でもはっきりと判らないのである。そこで「対戦が決まってから考えればいいだろう」と思考を中絶するのである。

 バーレーンの守りの堅さは半端じゃなかった。日本は攻めてはいたが、決め手を欠いていたのも事実だ。コーナーキックを含めて空中戦のアドバンテージは相手にあったし、頼みの俊輔のFKはことごとく相手選手に阻まれていた。後半20分を過ぎても無得点という展開に僕は強いストレスを感じていた。


 どんな形であれ勝つ事が全てだ。もらった点とは言っても、そこに至るまでにファウルを誘う玉田の切り込みと正確な俊輔のFKがあってのゴールだ。いうなれば日本代表の気迫がもぎ取った勝ち点3だろう。


 しかし、僕は言いたい事がある。中盤でボールを奪ってからのカウンター攻撃は不満だ。大事にし過ぎるのか、横パス後パスが多すぎる。勝負所のカウンターがカウンターになっていないのだ。緩急のない攻撃が相手に守りを固める時間を与えてしまっていた。


 ゴールを決めたサル・ミーン選手は相手の司令塔だ。オウンゴールの直後、彼は泣いていた。チョット気の毒な気もするが、今夜は泣き明かしてもらおう。勝負は非情だ。
asahi.com:日本、バーレーンを1―0で破る B組2位に W杯予選?-?スポーツ

 週に一度、息子のサッカークラブの練習がある。クラブの母体はアミティエスポーツクラブというNPO法人だ。京都の桂近隣の幼児から三年生までが集まっている。この春で発足からほぼ一年が経つ。みんなだいぶフットワークがしっかりしてきたみたいだ。

 
 高校時代、僕はサッカーに明け暮れていた。市内の公立高校に通っていたのだが、まあ授業は退屈だった。昼飯喰って午後の授業はほとんど寝ていたかも知れない。野球部もラグビー部も眠たいヤツはみんな寝ていた。おおらかな校風で大抵の先生は寝かせてくれた。よく教科書はヨダレで貼り付いていた。でも放課後のクラブ活動はシャキッと頑張る。なんかいつも腹が減っていた。そんな感じだった・・
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 あれは本当に素晴らしいシュートだった。小笠原のフリーキックも凄かったが、この日の千両役者は他にいた。ヒーローの名は大黒将志。一世一代の大仕事をやってのけた男はガンバ大阪の若きストライカーだ。でも国際試合ではほとんど無名だという。彼は昨年20得点をマークしてJリーグの日本人選手の中では得点王になっている。正直なところ僕は彼を知らなかった。ごめんなさい。でもTVのインタビューを観て一変で好きになった。落ち着いて漂々と話す姿がいい。なんちゅうても大阪生まれってのがステキやがな、ホンマ。

 「浮かさないように打ったら、入ってくれた」

 ゴール前のペナルティエリア内というのは「鉄火場」だ。攻める方が必死ならば、守る方も命懸けなのだ。一流のストライカーに常に求められるのは、そんなアドレナリンが沸き立つような場面での冷静さだ。福西から大黒に渡ったラストパスは「転がり球」ではなくバウンドした「浮き球」だった。ゴール前の「浮き球」からのシュートはしばしば外れる。それもポストの上へ外す事が圧倒的に多い。簡単ではない。その場面で大黒は振り向きざまに球の赤道から上を振り抜いている。間違ってもポストの上へ外す事がないようドライブ回転を掛けたのだ。日本に勝ち点3をもたらしたのは彼の「落ち着き」に他ならない。あれは本当に素晴らしいシュートだった。
大黒の代表初シュート、日本救う W杯予選 - asahi.com : スポーツ : サッカー

 待ちわびた決戦の日だ。現代を生きる人類にとってサッカーとは如何なる物か。また性懲りもなくそんな大風呂敷を広げてみよう。近代サッカーの発祥は19世紀のイ ギリスであるといわれているが、「足技競技」をその起源とするならば、中世のヨーロッパにまでさかのぼるだろうし、日本の中世にも「蹴鞠 」(けまり)がある。悠久の太古から人は足で物を蹴ってきただろうし、広義の意味の「サッカーの起源」を特定する事は不可能な事かもしれない。人体の四肢のうち一番力が出るのは足であり、普通の腕の3倍から5倍だと言われている。鍛え上げた下半身をもつ人ならばそれ以上 となる。サッカーはまさに「蹴る」という人類の本能に起因したスポーツだ。

 
 野球は僕も大好きなスポーツではあるが、サッカーとは思いの次元が違う。野球大国日本ではしかたのない事かも知れないが、メディアでサッカーと野球が同列あるいは野球の下に扱われるのを見ると苛立ちを禁じえない。その規模と全人類との係わりを考えれば野球とは比べ物に ならないし、全人類にとって唯一の共通の競技があるならばそれは間違いなくサッカーだ。
 
 こじれる拉致問題で日朝関係は最悪の状態にあるといっていいだろう。日本と北朝鮮は互いに因縁や憎悪が何重にも絡み合う仇国だ。戦う前 のお膳立てとすればこれは凄い。プロレス興行顔負けだ。以前の記事でも書いたが、W杯は政治も因縁も民族もすべて呑み込んでいく戦いだ。僕は体中のアドレナリンたぎらせてジーコジャパンを応援する。
速攻・集中力要注意 あす北朝鮮戦 - asahi.com : スポーツ : サッカー

日本、0−3でドイツに敗れる キリンチャレンジカップ - asahi.com : スポーツ
後半30分過ぎ、ドイツ主将バラックのフリーキックは本当に凄かった。右から左にカーブを描きながらゴールの右上角に襲いかかる。楢崎が辛うじて防いだものの、スタジアムのどよめきは日本のサポーターが力の差を認めた瞬間であるような気がした。私には得点シーンよりもなぜがこのシーンが印象に残っている。0−3・・・完敗です。大きく力強いドイツサッカーに嫉妬さえ覚えた試合でした。

キリンチャレンジカップ、日本対ドイツの前半終了後にこれを書いている。立ち上がり、日本はドイツに攻め入られる時間が長かった。さすがドイツ代表、大きい速い強い、なんかどこかのCMみたいだが、私の印象だ。前半15分辺りのドイツの決定的なシュートを小笠原のナイスディフェンスで凌いだ。格下といえる日本相手にドイツは前がかり気味で、ディフェンスラインとゴールの間にスペースができやすい。付け入る隙はあったし、日本のいいプレーも出た。特に加治の右サイドからの切り込みはグッドだ。前半終わって0−0なら上出来、さあ後半、勝ちに行けジーコジャパン!

サッカーW杯最終予選の初戦で北朝鮮とあたる事が報じられると、その筋周辺はにわかに騒がしくなった。テレビで石原都知事が「選手が拉致されるかも知れない・・」なんて発言したものだから、各メディアは大喜びで取り上げている。ブログの世界にもサッカー通が多いせいか、その反応たるや、それはそれは面白い。「よりによって時期がわるすぎる」とか「スポーツに政治を持ち込むな」とか「選手の安全が問題だ」などといった意見が多く聞かれる。TVのキャスターが「政治問題で神聖なスポーツが汚される事が懸念云々・・」なんて発言してると、私にはチョット的外れのようにも聞こえる。


この地球上でおよそ人類が行う仕業の中で一番注目されているのは「ワールドカップ」だ。政治・宗教・スポーツ、人が為せるあらゆるジャンルをひっくるめてもW杯以上に全人類の関心を集める行事はありえない。オリンピックがあるじゃないかという人がいるだろう。誤解を恐れず言えば、あんな物視てるのは先進国の一部の人々だけで、W杯の注目度とは比べようも無い。野球がことさら発達してきた日本では理解し難いかも知れないが、ヨーロッパや南米のサッカー国民にしてみればW杯は国の威信を賭けた戦争のようなもので、W杯そのものは極めて政治的だ。政治も民族も拉致も近親憎悪もすべて呑み込むW杯サッカー、その舞台で日本代表は北朝鮮を叩いて欲しい。金正日に目に物言わせてやれ!

2008年12月

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