サッカー: 2005年2月アーカイブ

 あれは本当に素晴らしいシュートだった。小笠原のフリーキックも凄かったが、この日の千両役者は他にいた。ヒーローの名は大黒将志。一世一代の大仕事をやってのけた男はガンバ大阪の若きストライカーだ。でも国際試合ではほとんど無名だという。彼は昨年20得点をマークしてJリーグの日本人選手の中では得点王になっている。正直なところ僕は彼を知らなかった。ごめんなさい。でもTVのインタビューを観て一変で好きになった。落ち着いて漂々と話す姿がいい。なんちゅうても大阪生まれってのがステキやがな、ホンマ。

 「浮かさないように打ったら、入ってくれた」

 ゴール前のペナルティエリア内というのは「鉄火場」だ。攻める方が必死ならば、守る方も命懸けなのだ。一流のストライカーに常に求められるのは、そんなアドレナリンが沸き立つような場面での冷静さだ。福西から大黒に渡ったラストパスは「転がり球」ではなくバウンドした「浮き球」だった。ゴール前の「浮き球」からのシュートはしばしば外れる。それもポストの上へ外す事が圧倒的に多い。簡単ではない。その場面で大黒は振り向きざまに球の赤道から上を振り抜いている。間違ってもポストの上へ外す事がないようドライブ回転を掛けたのだ。日本に勝ち点3をもたらしたのは彼の「落ち着き」に他ならない。あれは本当に素晴らしいシュートだった。
大黒の代表初シュート、日本救う W杯予選 - asahi.com : スポーツ : サッカー

 待ちわびた決戦の日だ。現代を生きる人類にとってサッカーとは如何なる物か。また性懲りもなくそんな大風呂敷を広げてみよう。近代サッカーの発祥は19世紀のイ ギリスであるといわれているが、「足技競技」をその起源とするならば、中世のヨーロッパにまでさかのぼるだろうし、日本の中世にも「蹴鞠 」(けまり)がある。悠久の太古から人は足で物を蹴ってきただろうし、広義の意味の「サッカーの起源」を特定する事は不可能な事かもしれない。人体の四肢のうち一番力が出るのは足であり、普通の腕の3倍から5倍だと言われている。鍛え上げた下半身をもつ人ならばそれ以上 となる。サッカーはまさに「蹴る」という人類の本能に起因したスポーツだ。

 
 野球は僕も大好きなスポーツではあるが、サッカーとは思いの次元が違う。野球大国日本ではしかたのない事かも知れないが、メディアでサッカーと野球が同列あるいは野球の下に扱われるのを見ると苛立ちを禁じえない。その規模と全人類との係わりを考えれば野球とは比べ物に ならないし、全人類にとって唯一の共通の競技があるならばそれは間違いなくサッカーだ。
 
 こじれる拉致問題で日朝関係は最悪の状態にあるといっていいだろう。日本と北朝鮮は互いに因縁や憎悪が何重にも絡み合う仇国だ。戦う前 のお膳立てとすればこれは凄い。プロレス興行顔負けだ。以前の記事でも書いたが、W杯は政治も因縁も民族もすべて呑み込んでいく戦いだ。僕は体中のアドレナリンたぎらせてジーコジャパンを応援する。
速攻・集中力要注意 あす北朝鮮戦 - asahi.com : スポーツ : サッカー

2008年12月

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