サッカー: 2006年6月アーカイブ

 W杯サッカーについて少し書く。思えば数年前、アジア初の開催国を巡っての綱引き合戦の末、FIFAが下した決定は、日韓で共同開催せよ、というモノだった。えっ、そんなのありかよ、と思ったが、商売上手なFIFAが考えそうな"落し処"を両国は受け入れた。かくして、世界最大の祭典は、欧州でもなく、南米でもなく、アジアの小さな半島と島国にやって来た。


 開催国である日本と韓国の快進撃が鮮烈だった。日本は悲願の決勝トーナメント進出を果たし、他方、韓国に至っては欧州の列強をなぎ倒し準決勝進出という快挙を成し遂げた。いくら地の利があるとはいえ、韓国があそこまでやるとは思わなかった。野球大国日本もこの時ばかりはサッカーに沸いた。


 2002年の熱狂から4年が経った。時の流れの速さに唖然とするばかりだ。今大会、嬉しいのは、日本と韓国がそろって出場する事である。在日の僕にしてみれば、"育った国"と"ルーツの国"がそろって出るというのは願ったり叶ったりで、それはそれは楽しみにしていた。楽しみは二倍だ。ただ、今回のW杯は前回とは大分勝手が違う。何せ、戦いの場所は欧州サッカーの総本山、ドイツである。日本と韓国にとっては"超"の付くアウェーだといえる。


 オーストラリア戦の当日、僕は朝から落ち着かなくて、それで自転車に乗って気を落ち着かせていた。対戦日程を見れば"初戦が全て"だという事は分かり過ぎた命題だった。先制した日本だったが、後半の最後、目前だった勝利が、勝ち点が、掌をすり抜けた。


 相手の将は2002年に韓国を準決勝に導いたヒディングだった。何の因果だろうか。負けた翌日の新聞はジーコの采配をメッタ切りにした。そしてヒディングはまたまた株を上げた。敗因を分析しするのも大切だろうが、それはもう、そこそこでいい。力が拮抗する相手との消耗戦に必要なのは、やはり強い気持ちだ。


 韓国はトーゴ相手に鮮やかな逆転勝利だった。逆転弾を決めた安貞桓(アン・ジョン・ファン)が脚を振り抜いたのはPエリアのずっと手前だ。シュート数ではオーストラリアの半分以下で負けた日本に足りなかったモノは、もう十分にマスコミが並び立てている。はっきり言ってクロアチアは強敵だ。しかし、日本が最高のパフォーマンスを見せれば勝てる相手だ。こういう試合の土壇場では精神力がモノをいう。高原は、柳沢は、前線は、相手を二、三人引きずってでも、なぎ倒してでも、シュートを打て!決戦まであと4時間、日本の勝利を信じる。

2008年12月

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