三条から四条辺りに掛けて京都一の繁華街を擁する河原町通りではあるが、南に下って来ると様子はだいぶん違ってくる。とりわけ河原町九条から以南の一帯は数ある京都の下町の中でも異彩を放っている。地元の人が「東九条」と呼ぶこの地域は、そこかしこに韓国の食材店や飲食店がある。日本一のコリアンタウンである大阪の鶴橋なんかに比べると規模はホントに小さいのだけれど、この町の存在は日本文化の象徴のような京都にあって、そこに食い込んだ楔(くさび)のようだ。
今時ハングル文字の看板なんて市内のあちこちにあったりするのだが、この辺りのそれは年季が違う。下町が醸すチョットうらぶれた雰囲気と猥雑さはもはや叙情的ですらある。国籍不明のこの地からほんの数キロ北へ行けば、日本を代表する祭り、祇園祭がまさにクライマックスを迎えようとしている。そして、すぐ南の河原町十条は河原町通りの終焉の地でもある。
