雪にもならない中途半端に冷たい雨が降った夜、夕食の思案をしながら車中にいた。何か暖かくて安くて美味いモノがいいなと思いながら、九条通りから一筋南の札ノ辻通りに車を向けた。
札ノ辻通りは、僕が知る昔に比べると変わったという感じは拭えない。部分的には妙に小奇麗になった。しかし、帳が下りて夜ともなれば、スナックやら居酒屋やら焼肉屋やら、飲食店の灯りは健在だ。それにここは東九条だ。飾らない無骨さと路地裏の危うさが売り物の下町である、と言いたいところだが、京都駅南部の再開発以降は、そうでもないのが昨今だ。
花粉症とそれによる蓄膿症に侵された頭はほぼラーメンに支配されていた。黄色い看板に誘われるままに暖簾をくぐった。店は大栄ラーメンという。京都のラーメン店の中では老舗の部類である。オヤジが一人で入るにはちょどいい、小じんまりとした、カウンターだけの店だ。
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チャーシューメンを注文した。焼豚と九条葱がこれでもかと載っている。味の能書きは他サイトに譲るが、僕はおよそ20年ぶりにこの店でラーメンを食ったことになる。一つ忠告するならば、女性や初心者は普通のラーメンにした方が無難かも知れない。焼豚の量がもう非常識である。
