篠山市の中心部を抜けて野路菊が咲く県道を西に進む。その後県道を外れて、舞鶴若狭自動車道に沿うように山道を登る。暫く行くとのどかな山間に湖が現れる。佐中ダムだ。実は今回の遠出の主な目的はここでヘラブナを釣る事であった。
佐中ダムは小さなダムである。下流の田畑に水を供給するのが目的の言わば溜池だ。上流部には桟橋があるので釣り易くなっている。晴天の五月だ、平日とは言え7、8人の釣り客がいた。僕も釣り料を払って桟橋に入座した。ヘラブナ釣りは底釣りと宙釣りに大別できるが、深いので宙釣りで始める。釣れてくれるだろうか・・。
餌を打つこと7、8投目のこと、浮きが消し込んだ。竿が弓形にしなる、手ごたえは良い。30cmぐらいの綺麗なヘラブナが釣れて来た。丹波のヘラブナを釣るという目的は達成できた。その後約3時間でなんとか10枚程釣って竿をしまった。ヘボ釣り師にも寛容な丹波のヘラブナに感謝しつつ帰路に着いた。
兵庫: 2005年5月アーカイブ
デカンショ街道は走りやすい道だ。デカンショ街道とは国道372号線の通称である。京都府と兵庫県の山間部を走るこの道は阪神淡路大震災の直後には、救援物資を運ぶ為の言わば生命線にもなった道だ。その日、僕は田植えが済んだばかりのデカンショの好道を独り西に走った。道は空いていて、山は新緑、空は青い。美味い空気はタダだ。
京都から車で約1時間半、辿り着いたのは丹波の城下町、篠山市だ。旧街道の京都への入り口であった町ををチョット歩いてみた。町の所々に「のじぎく国体」という文字が見えた。どうやら来年の国体は兵庫県で行われるらしく、「のじぎく」とは野路菊で兵庫の県花だ。篠山藩主「青山」の名を取った青山通り商店街は文字通り町のメインストリートである。失礼ではあるが、商店街の規模と充実ぶりには驚いてしまった。丹波の旨い食材は何でも揃いそうだ。
青山通り商店街の外れに、河原町妻入り商家群がある。この日は月曜日であったのだが、商家群には人影が少なく、閉まっている店が多かった。たまに通る車や自転車を除けば自分しかいない、何だか映画のセットの中を歩いているみたいだった。その分人目を気にせず、写真が撮れた。
「妻入り」に代表される商家の多くは間口は5、6mだが、奥行きは40m以上あるのだそうだ。ずらりと並ぶ古い商家は当時の繁栄を思わせる。何だかガイドブックみたいな事を言っているが、道端に真っ白な野路菊が咲く篠山の町は本当に美しかった。しかし、まあ何だノスタルジー漂う丹波の城下町で、中年男一人と言うのは決して絵に成らない。
