自転車: 2007年4月アーカイブ

 昭和に育った僕達が"天皇誕生日"と呼んでいた4月29日は、今は"昭和の日"と言うらしい。その昭和の日は素晴らしい天気に恵まれた。立命館大学のBKCでは、2007年春Ritsクリテリウムが開催される日だ。珍しく朝からごそごそと支度をして、自分と息子の自転車を車に積んで、家を出た。

 到着すると間もなく、カテゴリ1がスタートした。国内のトップクラスの選手の走りは物凄い迫力だった。集団がやって来ると、シャーっというホイール音がアスファルトに響き渡っていた。

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 僕は市民トライアルに出場した。そこそこ気合を入れて2周した。感想は、暑い、しんどい、でも爽快。息子は小学5・6年のカテゴリに出た。小学生の部も高学年になるとほとんどがロードバイクに乗っている。みんな一端のローディだ。息子の自転車は街乗り用でチト重たい。でも一生懸命走る姿を見て安心した。秋も出たい、と言っていた。次は何とかロードバイクを用意してやりたい。 

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 トップレベルの有名選手が走る一方で、親子連れでも楽しめる。Ritsクリテはそこが良い。構内に救急車が入って来たのを見ると、やはり洛車でケガ人が出たのか。秋にはカテゴリ5あたりにと思ってはいるが、痛いのはイヤだ。写真は、カテゴリ1で活躍したマルコポーロ・ジャパンのTREK Madoneと学生選手権決勝を応援する立命館のチアリーダー。

 社交界の華、美しい緑川夫人の正体は、怪盗 黒蜥蜴だった。という話は江戸川乱歩の小説である。確か中学生の時に「黒蜥蜴」を初めて読んだ。それはそれは怪しい雰囲気のストーリーに相当感化されたのだと思う。それからというもの、僕の人生は蜥蜴づいている。

 十代の終わり頃、学園祭で友達数人と「紅蜥蜴」というケーキ店を出した。紅蜥蜴のケーキは好評ですぐに売り切れた。それから時は流れて、近年では、娘は黒蜥蜴保育園に通っていた。娘を迎えに行くと、保育園の石段にしばしば蜥蜴が現れた。黒蜥蜴保育園とは僕が勝手に付けた名で、正しくは確か白百合保育園だった、と思う。

 蜥蜴の影はまだある。愛車マドン号にも蜥蜴が棲んでいる。気づいたのは乗り出して数ヶ月も経ってからだ。見つけた時はチョット驚いた。やはり蜥蜴づく運命なのか。

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 桜が散って、木々の新芽が芽吹いてくると、生物たちも動き出す。オヤジも動く。4月のある好日、デッキで自転車イジリをしていると、来客があった。怪しく輝くスーツに身を包んだその客は無言でデッキに上がりこんで来た。ほんの数分そこに居て、塀を伝って何処かへ消えた。写真は雨に洗われた仁和寺の紅葉の新緑。

 先日、自転車で街を走っている時の事だった。前方で車が路地から出ようと鼻先を覗かせていた。こちらは安全のためドライバーと目を合わせようとするが合わない。下を向いてゴソゴソ何かしているようだ。少し怖いなと思いながら、車に近づいた。車の鼻先を通過しようとしたその時、車は飛び出してきた。僕はウワーっと叫びながら、咄嗟にハンドルを切って逃げた。間一髪、車は急ブレーキで止まった。フロントガラス越しに見た女性ドライバーの手には携帯電話があった。
 
 107人が犠牲になった尼崎JR脱線事故から二年が経った。事故を振り返る報道がテレビや新聞で連日なされている。電車は他の交通機関に比べればアクシデントは少ないし、まずもって安心感がある。しかし、レールの上を走る電車と言えども、操る人間がミスを冒せばトンでもない結末になる。惨事を招いたのは人間の焦りや過信だ。落とし穴は人の心にある。それを肝に銘じようと思う。

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 忘れもしない一昨年の秋、僕は周山街道の下りを自転車で走っている時、クラッシュを経験した。相手は猫だ。アスファルトに叩きつけられて身体はあちこち痛んだけれど、頭は無事だった。代わりにヘルメットが割れた。自転車乗りはヘルメットの必要性を論じる事がままあったりするが、一瞬のミスで全てが終わってしまう事を考えれば、議論の余地は無い。写真はもしもの時にオヤジの安全を担保してくれる必需品。

 佐々里峠に挑むのは1年ぶりだった。頭上の山は天までそびえている。長い登りだ。みーこさんにはいつも苦しい場面を引いてもらっている。今回も有り難い同伴者の背中を見ながら坂を登った。ところどころで勾配が増したりする。ギアが足りない。おやじローディ御用達のコンパクトクランクは当たり前としても、スプロケットの11‐23というのはどうもいただけない。見栄を張りすぎだ。中腹あたりで一度泣きを入れてから、再び漕ぎ出した。

 僕は必殺技を使った。その名も「おやじ蛇行」"自転車おやじ神拳"(なんやそれ)の奥義だ。それは葛篭折れの峠道の道幅を使って更に蛇行するという禁じ手である。悲鳴をあげる脚を少し楽にしてくれるが、道幅が狭い場所や交通量が多い場所では使ってはいけない。轢かれてしまうからだ。奥義を尽くしてゼイゼイ言いながら峠に辿り着いた。

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 佐々里峠には山小屋がある。ハイカーのための避難小屋だろうか。小屋の壁が石で出来ているのを見れば、そこが雪深い場所だと判る。奥にはお地蔵さんが居る。そこで少し休憩して再始動した。

 
下りは安全第一で慎重に下った。黄色いラッパ水仙が咲く広河原を経て花背に至る。「きぬ川」というお店でウドンとご飯と明太子にありつけた。店は休みだったが、快く招いてくれたご主人に感謝。いい人だった。

 店を出てすぐ、みーこさんにアクシデントが発生した。詳細はココで。その後はハンドルが上手く握れないようだった。

 あとは京北町を横断する国道477号をひたすら西へ進んだ。常照皇寺で休憩を挟んで日吉ダムまで美しい道が続いた。おやじ殺しの峠の苦しみは割り引いても、100キロ以上もの距離をストレス無く走れる美山、京北の道は素晴らしいと思う。「わざわざ走りに来る価値はある」とfunrideには書いていた。おまけにゴールには温泉まである。休みだったけど・・。春風に吹かれた110km、おやじローディ冥利に尽きる旅だった。 

 オヤジの鼻息も鳥のさえずりに聞こえてきそうな季節、美山を走った。駆るのはもちろん、二本のホイールの回転音が鶯の鳴声と見事に共鳴すると評判の例の乗り物、ロードバイクだ。そしてこの日、僕には心強い同伴者がいた。Lookを駆る、みーこさんだ。

 日吉ダムを起点に府道19号を北上する。天気は上々、山桜が美しい。道中、何を喰おうかと相談する。蕎麦、パン、ハム、アイスクリーム、行く先にあるモノは何でも食べようという企みだった。

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 神楽坂トンネルを抜けると美山の里だ。来月ロードレースが行なわれる周回コースに入って、苦しく楽しい九鬼ヶ坂を越えて、赤鉄橋に至る。近くのパン屋でパンを買い、その隣の美山乳業で牛乳を買って、本日最初の補給をした。アンパンをポケットに忍ばせて再出発した。

 途中、美味しいと評判のハムとソフトクリームの店に立寄ったが、あいにく休みだった。仕方ないとブツブツ言いながら先へ進んだ。

 蓮如の滝あたりで、「地鶏鍋」という看板が目に留まった。「そうか地鶏鍋か、仕方ない、じゃ行って見よう」という事になった。時刻は10時半。さすがに早すぎてダメだった。諦めが悪い性格で、隣にもう一軒店があったので訪ねたが同じくダメだった。文字通り、"後ろ髪引かれ"ながら集落をあとにした。

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 かやぶき集落に着いた。目の前に蕎麦屋があった。むろん食べようとしたが休みだった。どうも間が悪い。喰いたいモノがことごとく喰えない。またまたぶつぶつ言いながら、同い年のオヤジ二人は、先へ進む事にした。待ち受けるのは、最大の難関である佐々里峠だった。おそらく続く。

 土曜日。薄いカーボン色の空の下、木津川を走る。小雨は降ったり止んだりで鬱陶しい。風が穏やかなのが救いだ。流れ橋をやり過ごして更に進んだ。

 自転車道から山城大橋を渡って国道307号に入った。トラックが犇めく峠を越えれば、宇治田原である。突きあたってT字路を左折すれば、道は天ヶ瀬ダムに向かう。ダムまで道は穏やかな下り基調、飛ばせる道だ。

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 宇治川ラインの桜は五、六部咲きだろうか。遠い昔の事。僕は宇治川ラインに夜な夜な通った。駆るのは赤いカローラレビン。タイヤを軋ませ、ヒール&トーで渓谷を駆け抜けた。敵無しだった。"宇治川ラインの赤い稲妻"と呼ばれていた。実家は豆腐屋。イニシャルM。なんて話は全然ない。

 "赤い稲妻"が復活した。でもタイヤは軋ませない。自転車だからスリップしたら危険が危ない。稲妻の速度は時速25kmぐらい。桜を見ながらシャカシャカ行こう。安全が第一だ。

 あちこちで桜が咲いて空気が温んでくると、筋金入りの怠け者である僕もさすがにお尻がムズムズしてくる。大した走力も無いのに、休みの日には「どこそこを走ろう。あの峠を越えよう。」などと勝手な夢想をしている。一冬越して、ウエストにはたっぷり脂が乗っていると言う現実を他所に、想像の中で走る姿はそれはそれは中々のアスリートだ。イメージする事は大切だし、楽しい。それに何よりタダだ。

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 昨年来ずっと巻いていた白いバーテープを外した。新たなテープの色は赤だ。そしてFizi:kの白いアリオネも蔵入りにした。換わって登場したのはサンマルコのアスピデ、オヤジの熱い股間を受け止めてくれる真赤なサドルだ。こなるとタイヤも換えたいと思うのが人情だが、どうしよう。

 春の装いを赤にしたのには訳がある。チョイ乗りマドン号は元々カーボン色に赤がポイントになっている。そして昨秋に履いたキシリウムのスポークには赤い一筋が走る。そんな伏線があっての赤いコーディネイトである。いろんな意味でオーバースペックである。一人よがりな空回りだと分かってはいるけど許して。桜咲く自転車道でマドン・ロッソはもうすぐデビューだ。ぬはは。。

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