自転車: 2007年7月アーカイブ

 爽やかな朝だった。7月の終わりにしては、気温は相当低かったようで、まるで初夏の朝だった。空は空で、ジッとしているにはモッタイない青空だったので、家を出た。駆るのは、夏バテ気味のオヤジも乗ればたぶん若返えるんじゃないかと巷で評判のロードバイクである。

 渡月橋を渡る雲はまばらで、空は只ただ青いばかりだ。天龍寺辺りの裏路地で黄色いランボルギーニを発見。カウンタックだ。同じイタリア産でしかも同じ黄色の好で、チョット記念撮影させてもらった。

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 MAVIC キシリウムESのきし麺スポークも良いのだが、こいつはさらに個性的。ハブから出た平面スポークがリムに近づくに連れて徐々に広がっている。先広がりの外観はヨーロッパ中世の剣を思わせる。なんとも挑発的な姿だ。辛子ビアンキ号が履くのは、FULCRUM レーシング1である。

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 「豚に真珠」「馬の耳に念仏」「猫に小判」異口同音にいろいろあるけど、まさにそうだ。写真は、懲りないオヤジの辛子ビアンキ号と嵯峨野の湯豆腐屋の軒下に飾られたアンティークなホイール。そうそう、気に入ったホイールは酒の肴にもイケル。というか、ほとんど用途はソレだ。

 「梅雨明けしたとみられる」などという発表が気象庁からあった。それはつまり、梅雨前線はもう居ないという事だ。という事は、太平洋高気圧を遮る雲も無いという事だ。という事は、日本列島はジリジリと焼かれる夏本番になったという事だ。という事は、この京都盆地に蒸風呂の季節が今年もちゃんとやって来たという事だ。という事は、オヤジの自転車の山登りは狂気の沙汰だという事だ。

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 ツールドフランスのピレネー越えに感化されて、自制が効かないオヤジは北山を目指した。広沢池を経て、周山街道を北へ向く。杉坂口から雲ヶ畑へ。持越峠で汗が滝のように流れた。

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 出合橋の分れを東に入る。中津川沿いに暫らく登ると、集落の一画に湧き水が出ている。顔を洗って首筋を冷やした。高温多湿な京都盆地だけど豊かな北山の水源に感謝だ。ビールが美味い夏の77キロ。

 薪棚を作った。材料はホームセンターで売っているツーバイ材である。束石で水平を出すのに少しゴソゴソしたが、持前のいい加減さでなんとかした。基本設計はその束石にツーバイ材を敷いただけのシンプルなもの。レールのごとく平行に敷いた木材の間隔は約30cm、これで40cmの薪が置けるという算段である。

 それにしても今時の電動工具は優秀だ。切って繋げるぐらいなら僕の様な素人オヤジだって苦にならない。それどころか「俺って才能あるな」と勘違いした日にゃ大変だ。のこのことホームセンターに行って、使わない道具にまで色気を出すから始末に悪い。

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 薪棚に寄り添うのは、組み上がったばかりのBianchi。色は山吹色と言うべきか、辛子色と言うべきか、そんな色である。チェレステ色じゃないと言うのが、独り善がりなオヤジにはお誂え向きだ。♪黄色と黒は勇気の印〜って24時間は走れない。

 そんなこんなで、自己満足オヤジは出来上がった二つの作品を見ながらビールを飲んだ。その味と来たら"難しい数学の問題"の様ではないか・・・こたえられない。

 よく降る梅雨だ。梅雨入り当初、お天気キャスターは「空梅雨に警戒して」などと言っていた。が、結果はこの有様だ。長雨の尻から大型台風が追い討ちを掛けて、九州あたりでは"記録的"に降っている。

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 一週間ばかりロクに太陽を見ていない。自転車にも乗れず、悶々とした日々を送っている。それとは対照的に、深夜に観るツール・ド・フランスの風景のなんと素晴らしい事か。乾いた空気に青い空、赤い屋根が彩る平原に美しい道が延々と続いている。ロードバイクは本来こう言う道を走るべきだと思う。

 長雨の影響は我家の中枢部にも及び始めた。これだけ降ると悪性の湿気がニセ風水師である家人の脳神経を刺激する。「洗濯物が乾かない」と愚痴っているうちはまだマシで、イライラが進行すると矛先がコチラに向いて来る。

家人 「何よこれ」
私  「自転車です」
家人 「自転車は分ってます。また殖えたじゃないの。いい調子ね」
私  「いや、はい」
家人 「いつまでここ置くつもり」
私  「早急に片づけます」
家人 「それから玄関に自転車とか部品とか遊び道具とかを置くのやめてちょうだい。風水上、良くないんです」
私  「重ね重ね申しわけありません」

 台風は超大型である。去るまでじっと我慢だ。

願い事

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 七夕。我家の子供たちが笹の葉に飾りを付けた。ふむふむ、五色の短冊に願い事が書いてある。何かと先が見えないご時世だけど、夢を持って努力できる人になって欲しい。

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 私も願い事を書いた。家族が仲良く健康であります様に。月並みだけど、それこそが成り難い。それからついでに、体が搾れて、格好良くなって、自転車で速く走れます様に。。

 それはもう見事な曇り空だった。首筋に纏わり付くような湿気が鬱陶しいものの、ぶ厚い雲に隠れた太陽が顔を出す事はまず無くて、お陰で暑さはマシだった。桂川、木津川と河川敷を南へ進んだ。独り善がりな中年男が駆るのは、クルクルとペダルを廻せば、何かと難しい日常も、どうにかこうにか廻ったように感じられるという乗り物、自転車である。

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 奈良。春日山の懐、飛火野あたりでは鹿群が夏草を食んでいた。まだ背中に斑が残る若い鹿が多い。真昼間だと言うのに、相変らずの薄暗い梅雨空と、飛火野の草原が創る風景は少しばかり郷愁的か。

 腹が減ったので、白川というタコ焼き屋で一舟食べた。それから県道を西へ向いた。あちらこちらに池が多い平城京をほぼ横断して、辿り着いたのは世界遺産、薬師寺である。

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 折角なので中に入れてもらった。500円也。自転車置き場があったけど、事務所で預かってもらった。だだっ広い敷地に伽藍配置、東西に塔を置いて、真中奥に金堂がある。西塔が色鮮やかなのに対して、東塔はモノトーンで地味だ。東塔は国宝だそうだ。金堂にはホストがいる。薬師如来だ。パンチパーマも座り方もあの方ゆずりか。脇を固めるのは日光菩薩と月光菩薩だ。因みに三体には「薬師三尊」というトリオ名があって、御三方とも国宝である。僕の趣味は月光さんだろうか。話が脱線しそうなので今日はここまで。行って帰って102km。

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