プロメテウスはあわれな人間に"火"を与えてはどうかと考え、全能の神ゼウスに進言した。しかし、人間の愚かさを知るゼウスはこう言って一蹴した。
「彼らは無知である。無知というのは事の善悪が判断できないということだ。」
しかし、プロメテウスはゼウスの意にそむき人間に火を与えてしまう。かくして人間は火を使い、自然を征服し、やがて戦争へと向かう。
冒頭はギリシャ神話の一節で、火とは文明そのものを指す。地球が歩んだ途方も無く長い時間から見れば、せいぜい一週間前に現れた人間は、枯れ枝に火を点けた日からあっという間に駆け抜けて来た。知識の集積を半導体に移し込み、ビットの荒野に未来は担保されたか。今となっては、ウラン燃料の臨界を見た時が凋落の始まりだったと言えなくもない。原子力という「神の火」に手を出した報いが、あろう事か、二度の原爆を経験したこの日本に向けられている。発生から3ヶ月以上、未だ収束の糸口さえ見えない福島の原発事故について、またまた無責任な大風呂敷を広げつつ雑感を述べる。