朝9時頃にヨロヨロと起きた。仕事も休みだし外を見ると晴天である。身支度をして自転車を車の荷室に積んで家を出た。コンビニで朝飯のパンと補給用の食料を少し買って、京都縦貫道を北へ走る。二度にわたる関所の取立てで、千円もの金を巻上げられたのち園部で降りた。田舎道を暫く走って目的地である日吉ダムに到着した。
車をとばして日吉ダムまで来たのは、FunRide12月号で"わざわざ走りに行く価値あり"と紹介されていた100キロのコースを走るためである。ダムサイトの脇にはスプリングス日吉という温泉施設と広々とした駐車場がある。温泉は有料だが、駐車場はタダだ。自転車を荷室から下ろして前輪とサドルを付けて準備完了である。スタートしたのはもう午前11時前だった。
ダムに背を向けて日吉町の府道19号を北進する。序盤で三つのトンネルを潜る。一番長いのは神楽坂トンネルで1キロほどあるが、交通量が少ないから"トンネル怖い病"の僕でもぜんぜん平気だ。その神楽坂トンネルを潜れば美山町である。雑誌の紹介では宮脇という分かれ道で府道368号に一度入るのだが、これは九鬼ヶ坂峠を行くルートだ。この辺のルート取りはチト複雑で、地図も持たずウロ覚えだった僕は、そのまま府道19号を行ってしまった。九鬼ヶ坂峠をとばしたのは失敗だったが、仕方ない。何せ帰って来てから気付いたのだから。
安掛の三叉路で府道38号に入った。そこから8キロほど行くと、かやぶきの里が現れる。日本昔話に出てきそうな民家が山裾に広がっていた。せっかくなのでちょっとウロウロ。自分が漕いで来たのはタイムマシーンじゃなかろうか、と思わせるほど集落の有様は見事である。かやぶき民家の庭先にはチューリップや水仙が咲いていて、空には鯉のぼりが泳いでいた。
道は徐々に登り勾配がきつくなる。このコース最大にして唯一の難所、佐々里峠の登りは延々と続く。一生登るのかと思った。根性が無いので休憩を入れて登る。でも死なない程度にそこそこ自分を追い込んで登った。しんどい、しんどい。もちろん自転車で登るのは初めてだった。4月下旬だというのに峠付近には残雪があった。
あたり前だが、佐々里峠からはずっと下りだ。楽チンだけど怖い。安全が第一だ。車なんてそうそう来ないのだが、スピードが乗り過ぎる。見通しの良いカーブの出口で数回踏んで直ぐにブレーキをかける。そんな調子である。この辺りから進路はほぼ南になる。沢にラッパ水仙が咲く道を広河原、花背と下っていった。
やがて府道38号は大布施という所で国道477号にぶつかる。右折する。進路は西だ。ちなみに真っ直ぐ南へ行けば花背峠を経て京都市内へ至る。京北町を横断する国道477号をひたすら西へ。良い道である。オカズは桂川だ。周山街道と交われば、その辺りが京北町銀座だ。ウッディ京北で何か食べられるし、サンダイコーでは買い物も出来る。実はスタートしてから口にしたのは栄養剤一本だけで、ハンガーノック気味だった。サンダイコーに飛び込んで、巻き寿司、草餅、栄養剤、琢磨ドリンクを買って一息ついた。
周山街道を横切って更に西へ。宇津峡を経てスタート地点の日吉ダムに帰った。走った道は、どれも信号の無い良道だった。佐々里峠も含めて100キロも走れば大満足であるが、反省点もある。それは補給の失敗だ。このルートはコンビ二なんか全然ない。暑い季節は特に、食料はしっかり持っていた方が良いと思う。しかし、補給場所が無い事を割り引いても、道の良さは抜群である。それにゴールに温泉があるってのは相当魅力だ。距離103km、走行時間、4時間28分。
余談だが、合併により、文中に出てきた日吉町と美山町は南丹市に、京北町は京都市右京区になっている。

