京都: 2006年4月アーカイブ

 朝9時頃にヨロヨロと起きた。仕事も休みだし外を見ると晴天である。身支度をして自転車を車の荷室に積んで家を出た。コンビニで朝飯のパンと補給用の食料を少し買って、京都縦貫道を北へ走る。二度にわたる関所の取立てで、千円もの金を巻上げられたのち園部で降りた。田舎道を暫く走って目的地である日吉ダムに到着した。


 車をとばして日吉ダムまで来たのは、FunRide12月号で"わざわざ走りに行く価値あり"と紹介されていた100キロのコースを走るためである。ダムサイトの脇にはスプリングス日吉という温泉施設と広々とした駐車場がある。温泉は有料だが、駐車場はタダだ。自転車を荷室から下ろして前輪とサドルを付けて準備完了である。スタートしたのはもう午前11時前だった。


 ダムに背を向けて日吉町の府道19号を北進する。序盤で三つのトンネルを潜る。一番長いのは神楽坂トンネルで1キロほどあるが、交通量が少ないから"トンネル怖い病"の僕でもぜんぜん平気だ。その神楽坂トンネルを潜れば美山町である。雑誌の紹介では宮脇という分かれ道で府道368号に一度入るのだが、これは九鬼ヶ坂峠を行くルートだ。この辺のルート取りはチト複雑で、地図も持たずウロ覚えだった僕は、そのまま府道19号を行ってしまった。九鬼ヶ坂峠をとばしたのは失敗だったが、仕方ない。何せ帰って来てから気付いたのだから。
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 安掛の三叉路で府道38号に入った。そこから8キロほど行くと、かやぶきの里が現れる。日本昔話に出てきそうな民家が山裾に広がっていた。せっかくなのでちょっとウロウロ。自分が漕いで来たのはタイムマシーンじゃなかろうか、と思わせるほど集落の有様は見事である。かやぶき民家の庭先にはチューリップや水仙が咲いていて、空には鯉のぼりが泳いでいた。


 道は徐々に登り勾配がきつくなる。このコース最大にして唯一の難所、佐々里峠の登りは延々と続く。一生登るのかと思った。根性が無いので休憩を入れて登る。でも死なない程度にそこそこ自分を追い込んで登った。しんどい、しんどい。もちろん自転車で登るのは初めてだった。4月下旬だというのに峠付近には残雪があった。
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 あたり前だが、佐々里峠からはずっと下りだ。楽チンだけど怖い。安全が第一だ。車なんてそうそう来ないのだが、スピードが乗り過ぎる。見通しの良いカーブの出口で数回踏んで直ぐにブレーキをかける。そんな調子である。この辺りから進路はほぼ南になる。沢にラッパ水仙が咲く道を広河原、花背と下っていった。


 やがて府道38号は大布施という所で国道477号にぶつかる。右折する。進路は西だ。ちなみに真っ直ぐ南へ行けば花背峠を経て京都市内へ至る。京北町を横断する国道477号をひたすら西へ。良い道である。オカズは桂川だ。周山街道と交われば、その辺りが京北町銀座だ。ウッディ京北で何か食べられるし、サンダイコーでは買い物も出来る。実はスタートしてから口にしたのは栄養剤一本だけで、ハンガーノック気味だった。サンダイコーに飛び込んで、巻き寿司、草餅、栄養剤、琢磨ドリンクを買って一息ついた。


 周山街道を横切って更に西へ。宇津峡を経てスタート地点の日吉ダムに帰った。走った道は、どれも信号の無い良道だった。佐々里峠も含めて100キロも走れば大満足であるが、反省点もある。それは補給の失敗だ。このルートはコンビ二なんか全然ない。暑い季節は特に、食料はしっかり持っていた方が良いと思う。しかし、補給場所が無い事を割り引いても、道の良さは抜群である。それにゴールに温泉があるってのは相当魅力だ。距離103km、走行時間、4時間28分。


 余談だが、合併により、文中に出てきた日吉町と美山町は南丹市に、京北町は京都市右京区になっている。

 命懸けで峠を越えた。何かの拍子に落車でもすれば踏み潰されるのは必至だ。木津川に架かる山城大橋から宇治田原に抜ける国道307号には幾つかの採石場があって、ダンプが引っ切り無しに通っている。特に峠付近は息をつける様な路肩なんて無いから、自転車の走りシロは車に譲ってもらう形である。走る自転車のタイヤがあるのは大型ダンプの轍の上だ。「命懸け」という表現は決して大袈裟ではない。本当に怖いぞ。


 その日、一週間ぶりに自転車道に出た僕は南へ向いた。駆るのは、もちろん、かのF1レーサー佐藤琢磨がCMで乗っている姿が格好良いと、近ごろ巷で評判の例のアレだ。空は見事な曇天、雨こそ降らないが風が冷たい。晴れると言った天気予報を罵りながら、ペダルを踏んだ。少し葉桜に成りかけてきた御幸橋の背割堤を冷やかして、木津川の自転車道を下る。南へどんどん、流れ橋をやり過ごし、山城大橋を渡った。
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 峠を越えて、宇治田原に入ると途端に道は広くなる。下って行くと道はやがて丁字路にぶつかる。左折した。目指すは天ヶ瀬ダムだ。ちなみに右折すると信楽方面である。宇治川ラインの桜が見頃のハズだ。


 ここからは気持ちが良い。緩やかな下りが続く。車も少ない。道は宇治川の支流である田原川の渓筋を抜け、天ヶ瀬ダムの中流に通じている。宵待橋に出くわせば、そこが琵琶湖の尾っぽ、つまり宇治川だ。


 山を彩るを見ながら宇治川を下ってダムサイトに至った。連日の雨のせいか水瓶は満水で、轟音と伴に水が放水されている。水辺の桜はどれも綺麗だったが、空が灰色であるのは残念だ。やっぱり青空が良い。そういえば、ここ暫く太陽を見ていない。週末はまた雨が降るそうだ。まあ、いいように降られている。チョット言いたい。ゴラーッ天気、ええ加減にせいよ!

 朝、外を見ると何か様子が変だった。視界がエラく悪い。霧か霞かと思ったが、昼近くになっても一向に晴れない。細い眼をさらに細めて上空を良く見ると、どことなく黄色っぽい。車のフロントガラスが無数の砂粒で汚れているのを見て、確信した。黄砂だ。中国大陸の黄土地帯の砂が舞い上がって、それが偏西風に乗って日本にやって来るというのだが、これほど凄いのは記憶にない。太陽は辛うじて輪郭を保ってはいたが、あれじゃ昼間の月と変わらない。


 なんでも明日の日曜日もこんな調子だそうだ。京都のそこかしこで桜は満開なのだが、行楽にケチが付いている。おまけに黄色い砂まで着く。僕も例のルンルンで花咲く自転車道を走ろうと思っていたのだが・・。どうも桜の時期を狙い打たれたようで、ちょっと腹立たしい気がしないでもない。経済発展著しい中国政府は、巨大ビニールシートで黄土地帯を覆ってくれないだろうか。無理か。
curryudon01.JPG

 黄色と言えばカレーうどんだ。僕は既に、power's cycle diaryで"カレーうどん好き"を公言しているのだが、実を言うと、カレーうどんが好きだ。カレーライスも好物だが、あまり言うと、ゴレンジャーに出て来たキレンジャー見たいだと思われるんじゃないかと心配だ。なんでもイイが、写真はフジッコのカレーうどんである。レトルトだけどなかなか美味い。九条ねぎをザクザク切って入れるとサラに美味い。春の夜食の王道である。ぬはは。

asahi.com:西日本各地で黄砂を観測 9日も続く見通し

 嵯峨野の広沢池近くに立派な枝垂れ桜がある。染井吉野に比べると見ごろは早くて、四月初旬でほぼ満開である。枝垂れ桜の前にはかがり火が焚かれ、ライトで照らされたピンクの花びらが夜空に映し出されていた。
yozakura_hirosawa03.jpg

 
 この枝垂れ桜をネットで検索した。いろいろ出た。桜の持ち主は「知る人ぞ知る」だった。江戸時代から続く造園業者で16代目佐野藤右衛門氏、日本一の桜守(さくらもり)。さかのぼって14代目佐野藤右衛門は昭和初期に窮地に陥っていた日本中の桜のために尽力した人。詳しくはこちらで。


 枝垂れ桜が立っているのは通称きぬかけの道だ。一帯はチョットした桜庭園のようになっている。僕がこの枝垂れ桜を初めて見たのはもう二十年以上前になる。道は大学への通学路だったから、毎日のように桜の木の前を通っていた。春のある夜、照明に照らされて夕闇に浮かぶ桜を見て、ああ綺麗だな、と思った。それが始まりで卒業してからも、時季には毎年のように足を運んだ。ここ数年は縁が無かったのだが、久しぶりにやって来た。藤右衛門の枝垂れ桜は今年も見事に咲いていた。

佐野邸/藤右衛門桜ビデオ2006
asahi.com:造園家・桜守 佐野藤右衛門さん(77) - マイタウン京都

2008年7月

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