京都: 2008年9月アーカイブ

080916sagano018.jpgしあたって何処に行くとも決めたわけでなく、とりあえず家を出た。ひとり善がりなオヤジが駆るは、時速20kmで走れば、鼻の穴の粘膜から忍びよる秋の気配を感じさせてくれるという金斗雲である。稲穂が頭を垂れる嵯峨野の田園地帯を抜けて、周山街道へと分け入った。

konzoji 014.jpg原野にも少し乾いた風が吹き出した。辛子色の自転車に乗って、小塩山の懐に入った。竹林を縫って急坂が続く。路面はもともと小石や苔が多い上に、9月の雨を吸ったあとだ。それで辛子号の後輪はよく愚図った。強いトルクを掛けるとズッルと滑るのだ。腹にベーコンを巻いたオヤジは、ぺダリングを少しでも軽くしたい、という強迫観念から高圧の注入に余念がない。滑るのはそのせいもあるかも知れない。肺と心臓と腹筋に鞭打って、ホイールが空回りするほどの壁坂を半泣きでよじ登ると、赤い山門が現れた。金蔵寺の仁王門である。

2008年11月

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