家族: 2005年7月アーカイブ

 自転車が国民的スポーツであるかの国では鉄人ランス・アームストロングが前人未到の7連覇を成し遂げ、日本列島には真夏の台風7号が刻々と近づいていた頃、僕は天橋立に来ていた。ここ数年、この時期に近畿圏内のどこへやらの海に行くのが家族の恒例行事になっていて、今年は何故だか天橋立と言う事になった。

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 天橋立は、宮城県の某所、広島県の某所と並んで日本三景の一つになっている。いったい誰がそんな事決めたのかと思い、ネットで検索してみると、あっさりと調べがついた。江戸時代の学者・林春斎という人が著書「日本国事跡考」に「丹後の天橋立、陸奥の松島、安芸の宮島を日本三景」と書いたのが始まりらしい。日本に数ある風光明媚な場所の中でもここは別格という事だ。それではこの地を上から眺めてやろうとリフトで展望台へ登った。天橋立を上から見るのは初めてだったが、宮津湾を内と外に分ける松並木の砂道は見事だ。ちなみに世に言う股のぞきの元祖は対岸にある傘松公園展望台なんだそうだ。

 「あるある探検隊」ならぬ「虫採り探検隊」が結成された。隊長は僕だ。幻の昆虫を求めて南米アマゾン川のジャングル奥深く分け入って行きたいところだが、まあ時間の都合で桂川という事になった。梅雨明け間近の夏空の下、二人の助手を連れて桂離宮前の河川敷にやって来た。
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 降り立った河川敷には、トンボの群れが飛んでいた。格好の獲物だ。助手の一人が捕獲しようと頑張るのだが、虫採り網は虚しく空を切る。実はこの助手、虫採り網を使うのは今日が初めてである。やる気はあるのだろうが、全然なっちゃいない。トンボの方が数段俊敏である。隊長である僕の出番のようだ。
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 上空を飛ぶトンボを採るのは難しいので、草の高さに降りて来たヤツを狙って網を振る。見事捕獲に成功だ。助手達は声を上げて喜んでいる。観ると「シオカラトンボ」だった。その色から別名「麦ワラトンボ」とも言われるが、オスの体は成長と伴に鮮やかな青に変わって行く。僕も子供の頃はよく採ったなじみ深いトンボだ。「ありがとうシオカラトンボ」と言いたい。隊長の面目躍如である。

2008年9月

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