家族: 2007年9月アーカイブ

 「残りの人生、俺と生きられると思うなよ!」

 家人にそう言い捨てて、家を出た。犬も喰わない喧嘩の原因は、些細な事かも知れないが、ごっつう腹が立った。口から出るのは、売り言葉に買い言葉だ。

 駅前の居酒屋に入った。カッカした気を鎮めるためだ。もう日付が替わろうとしている時間だが、店にはけっこう人が居た。みんな楽しそうにワイワイガヤガヤやっている。空いているカウンターに腰掛けた。

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 小一時間の間に、ビールが二杯と梅酒が二杯。アテは焼き鳥と胡瓜の漬物だ。酒はそう強くないが、よく飲んだ方だ。調子に乗って、まだ何か飲んでやろうとメニューを手に取ると、表紙に「心の診療所」と書いてあった。ふーん、そうだったの。薬が効いたのか。そう言えば、少し楽になった気がしないでもなかった。

 9月早々の日曜日、結婚式に出席した。ステンドグラスの明かりが差し込むチャペルで賛美歌を歌った。流暢に関西弁を操る外国人牧師の説教を聴いて儀式は進んだ。

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 新婦は僕の妹だ。彼女は昔、2年もの間、末期癌の母親に付添った。あてにならない2人の兄を他所に、日々痩せ衰える母親を看ながら病室で暮らした。花も実もある20代半ばの事である。母を亡くし、三十路をとうに過ぎて、四十を目前にしての結婚だ。集まってくれた人達の気持ちが伝わる素晴らしい結婚式だった。おめでとう。

2008年9月

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