更新をサボっていたら、いつの間にやら2月になっていた。年明けから、テレビも新聞もライブドア事件で大騒ぎである。事件に関しては、誰かが毎日のように何か語っている。マスコミも政治家もIT時代のヒーローよろしくホリエモンを持ち上げていた頃に比べると、その豹変ぶりが滑稽だし恐ろしくも見える。僕なんかが何か言っても仕方ないのは判っているが、それでも胸の内から股間から湧いて出た雑感を少し書く。
大体、話が余りに劇的過ぎて僕などはそれをボーっと見ているしか無い。超高級マンションに居を構え、自家用ジェットに乗って、モデルや女優と浮名を流していた勝ち組ヒルズ族のリーダーが急転直下で奈落へ落ちる筋書は、ダイナミックというか、およそ現実離れしてる。フジテレビに一泡吹かせ、先の選挙で時の政権政党の幹事長をして「我が弟です!我が息子です!」と言わしめた人気絶頂ぶりを見たとき、たった数ヶ月後の凋落を誰が予想できただろうか。人の世の浮き沈みはこうも激しいモノなのか。
逮捕容疑は証券取引法が禁じている「偽計取引」「風説の流布」だった。企業の買収合併に絡んで「株式分割」とか「投資組合」という語句が飛び交ってはいたが、何が良くて何が悪いのか、一体ホリエモンはどんな悪事を働いたのか、解ったような解らないような話だった。ただ検察側のシナリオには続きがあるようで、ここへ来て粉飾決算やらマネーロンダリングやら、そんな話も出てきている。どうやら再逮捕は確実であるらしい。既に部下達が罪を認めているのを見ると、ホリエモンもこれまでか。
株式交換という手法でM&Aを繰り返してきたライブドア社にとって株価こそが成長の原動力だったようだ。株価にこだわり、あの手この手で高株価を維持しようとしていたようで、球団買収も選挙立候補もすべて「株価吊り上げ」が目的だった、と言うのが今の大方の見方である。球団買収も立候補もそれ自体は失敗に終わったのだが、「株価吊り上げ」という面では成功していた事になる。ライブドアグループの時価総額は一時、1兆円を越えていたらしいが、家宅捜索が報じられた途端にみんな一斉に引いて行った。海の潮が引いて行く様な市場の反応を見ると、今更ながら株価というのは信用の上に成り立っている事を思い知らされる。
昨年の西武鉄道事件の時もそうだったが、大型経済事件では必ずと言っていいほど人が死ぬ。今回も犠牲者が出た。悲しい事だ。自殺か他殺かで物議になっているようで、それはそれで白黒ハッキリさせてもらいたい。ただ、ライブドアという一企業の没落がヒト一人を死に追いやった事は確かなようだ。仮に自殺だったとして、会社が傾いて、株価が下がると、愛する者に理由も言わずに死ななければならないのか。「勝ち組」と言われる人達は一体何に勝ったと言うのか。株価よりも人の命が安っぽいというなら、それは貧困の窮みだろう。
