奈良のカレーライス

OLYMPUS DIGITAL CAMERA真夏の太陽は今が出番とばかり燃えている。朝ッパラからギラギラのドヤ顔で、鬱陶しいったらありゃしない。マクドのハンバーガー&ポテトじゃあるまいし、頼みもしないのに高気温と高湿度がセットである。

レーパンを穿いて、ジャージを着て、凍らせたボトルを持って、身支度を整え、家を出た。駆るは、ひきこもり勝ちな現代人を外へといざなうと意味では、巷で話題のポケモンGOよりも、ずっと健康的で、ノスタルジックで、”どこか遠くへ”というオヤジ世代の放浪本能に見事に応えてくれるというロードバイクである。

“奈良のカレーライス”の続きを読む

桂川チルドレン

「桂川には行ってはいけません」

kuzebashi40s-01私が小学生だった頃、学校の先生からいつも聞かされていた言葉だ。桂川は行ってはいけない場所だった。もちろん水の事故から子供を守るためなのだが、夏休みの前になると、語気はさらに強まる。全校生徒が集まる朝礼の場で、校長が言う。「長い夏休みに入りますが、桂川に絶対に近づいてはいけません」と念を押された。

そうは言うものの、桂川は、魚やザリガニをはじめ、水場の生物がいっぱいいる。絶好の遊び場だし、自然の宝庫だ。行けば楽しいに決まっている。しかも目と鼻の先だ。子供たちにしてみれば、”禁断の魔境”こそが行ってみたい場所である。桂川はそんな場所だった。

“桂川チルドレン”の続きを読む

吉野山

近鉄特急に乗って奈良へ行った。天気は上々。電車は、京都府南部と奈良県を縦断して進んだ。
橿原神宮前で乗り換えた後、電車は更に奈良県南部の山間部を分け入って進む。「世界の車窓から」よろしく、窓から眺める吉野川はなかなか美しかった。終点は吉野駅。そこがまさに目的地である。

残念ながら自転車の出番はない。この日はなんと家人と一緒にハイキングである。桜もほぼ終わりの吉野山だが、上千本、奥千本まで登れば、桜が見れるという。つまりが山歩きである。

080421yoshino%20082.jpg

中千本までバスに乗った。そこから先の上千本行きのバスは、長蛇の列だったので、歩いて登ることにした。上千本までは約3キロの登りである。

080421yoshino%20101_b.jpg

上千本に位置する水分神社(みくまりじんじゃ)では枝垂れ桜が迎えてくれた。その古木の周りを社殿の回廊が囲んでいる。枝垂れの神木は見事な花を着けていた。

080421yoshino%20147.jpg

そこそこきつい勾配を登って金峯神社(きんぷじんじゃ)に辿り着いた。我々の登山はここまで。よく頑張った。
道はずっとどこまでも続いている。大峯奥駈道と呼ばれる道は、近畿の屋根、紀伊山地を越えて熊野本宮まで170km続いているらしい。案内板を読めば読むほど恐ろしい道だ。どうやらロードバイクでは無理らしかった。
お土産に柿の葉寿司を買った。電車を待つ間、私はコレを食べた。家人はこの日、ひとつ年をとった。

布目ダムから月ヶ瀬へ

布目ダムから月ヶ瀬渓谷に至る広域農道は豪快に下っている。道は遥か向こうを見下ろす直線である。まず車は来ないし、その先は少し上るという”保険”まで付いている。そんなお膳立と、それまでの上りの鬱憤と、春の陽気と、多少の自暴自棄とで、トップギア(50×11)を回した。一瞬だがPOLARのメーターで68という数字を見た。しかし、何かあったら大変だから、こうゆうのは程々にしようと思う。

話を朝に戻す。奈良公園まで車で来た私とnasubiさんは、県庁前駐車場でビスさんと落ち合った。そこから布目ダムを目指した。県道80号を西へ行くルートは、TOJの奈良ステージをなぞる道だ。途中に立ちはだかるのは水間峠(みまとうげ)である。10年前に水間トンネルが完成しているが、標高は560mで、峠と変わらない。蝸牛のように遅い私は、その峠道を二人の同伴者にいっぱい迷惑を掛けながら上った。
%E5%A5%88%E8%89%AF%20055.jpg
名張川方面に下って行くと桃香野という場所に出た。そこは高山ダムの上流域で、川の両岸には月ヶ瀬梅林が広がっている。一万本が咲くという梅林は、五六部咲き位だろうか。梅渓を見下ろす右岸には、売店が並ぶ。平日だけど、けっこう観光客がいた。

昼飯の場所はロマントピア月ヶ瀬である。囲炉裏の前で食ったのは、うどん&焼きおにぎり。月ヶ瀬渓谷をぐるりと回ると、もう帰る時間だった。帰路は柳生街道で奈良公園まで。春の好日に奈良の山と美しい渓谷を走ることが出来た。家族と自転車仲間に感謝。月ヶ瀬の梅干は美味いぞ。

春眠不覺暁と東大寺二月堂

二度寝した。「春眠暁を覚えず」で、起きたのはもう11時前だった。ごそごそと身支度を整えて、曇天のややこしい天気の下、自転車道に飛び出した。
093.jpg
小癪な春雨に濡れたが、奈良公園に到着する頃には止んでいた。東大寺のぐるりをウロウロ。辺りは薄っすらと靄が架かって春っぽかった。
122.jpg
かわいい小鹿に目配せしながら、春日山を登って東大寺二月堂に至る。

「お水取り」の時期である。舞台の下では松明の準備がなされていた。この日、春を呼ぶ炎の演目は午後7時からおよそ20分間の予定だという。観たいがそうも行かない。帰らないと日が暮れる時間だった。

飛火野から薬師寺へ

 それはもう見事な曇り空だった。首筋に纏わり付くような湿気が鬱陶しいものの、ぶ厚い雲に隠れた太陽が顔を出す事はまず無くて、お陰で暑さはマシだった。桂川、木津川と河川敷を南へ進んだ。独り善がりな中年男が駆るのは、クルクルとペダルを廻せば、何かと難しい日常も、どうにかこうにか廻ったように感じられるという乗り物、自転車である。
KICX2081.JPG
 奈良。春日山の懐、飛火野あたりでは鹿群が夏草を食んでいた。まだ背中に斑が残る若い鹿が多い。真昼間だと言うのに、相変らずの薄暗い梅雨空と、飛火野の草原が創る風景は少しばかり郷愁的か。
 腹が減ったので、白川というタコ焼き屋で一舟食べた。それから県道を西へ向いた。あちらこちらに池が多い平城京をほぼ横断して、辿り着いたのは世界遺産、薬師寺である。
KICX2115.JPG
 折角なので中に入れてもらった。500円也。自転車置き場があったけど、事務所で預かってもらった。だだっ広い敷地に伽藍配置、東西に塔を置いて、真中奥に金堂がある。西塔が色鮮やかなのに対して、東塔はモノトーンで地味だ。東塔は国宝だそうだ。金堂にはホストがいる。薬師如来だ。パンチパーマも座り方もあの方ゆずりか。脇を固めるのは日光菩薩と月光菩薩だ。因みに三体には「薬師三尊」というトリオ名があって、御三方とも国宝である。僕の趣味は月光さんだろうか。話が脱線しそうなので今日はここまで。行って帰って102km。