七変化の花と東アジア

雨の土曜日、空は灰色である。日本列島に貼りつく梅雨前線は、堅実な仕事ぶりで、京都西山連峰にも、ちゃんと雨を降らせている。灼熱の太陽が現れる前に、夏本番が来る前に、膨大な降水をもたらす。梅雨がくれる分け前は、あらゆる生命にとって、命の水である。それは、四季を操るモンスーン気候の壮大な仕掛けだ。

善峯寺を訪ねた。同伴者は、ウソかホントか、李王朝ゆかりの風水師だという家人である。二人で山門をくぐるのは3年ぶり。前回と違うのは、互いの年齢と、今年は傘が必要なことだ。急峻な小塩山の中腹に建つ古刹は、霧雨に濡れそぼる。入山料は1人500円也。

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水もしたたる悪女と十輪寺の紫陽花

梅雨入りした。毎度の事ながら天気予報は当たらない。梅雨前線の振る舞いは、まるで悪女の様に気まぐれで奔放だ。浅はかで下心が透けて見える人間の”天気読み”など当たるハズもなく、プリッと尻を向けられ肘鉄を喰らわされ日にゃ、雨の予報が見事なピーカンと相成る訳である。

大きな声では言えないが、水もしたたる悪女、梅雨姉さんには小笠原気団とかいうパトロンがいる。このダンナがまた暑苦しいオヤジである。頼みもしないのに高温で湿った空気をどんどん運んできて、カビは生やすは、モノは腐らすはで、どうにもならない。熱帯性だか、太平洋性だか知らないが、ジメジメしていてホンマに鬱陶しい。
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そんな梅雨の晴れ間に自転車に乗った。暑さと湿気でペダルの音も湿り勝ちである。夏景色の田畑を進み、竹林を抜けて、を登れば、もう汗だくだ。善峰寺に通じる坂の途中に十輪寺という寺がある。案内板に因ると、同寺は平安期の粋なオヤジ、在原業平の庵だったとある。別名、業平寺とも呼ばれるらしい。山門の脇に咲くのは、涼しげに色づいた紫陽花だった。余り追い込むな、夏は長いぞ、ぼちぼち適当に行けよ。ブラジャー!