真夏の太陽は今が出番とばかり燃えている。朝ッパラからギラギラのドヤ顔で、鬱陶しいったらありゃしない。マクドのハンバーガー&ポテトじゃあるまいし、頼みもしないのに高気温と高湿度がセットである。
レーパンを穿いて、ジャージを着て、凍らせたボトルを持って、身支度を整え、家を出た。駆るは、ひきこもり勝ちな現代人を外へといざなうと意味では、巷で話題のポケモンGOよりも、ずっと健康的で、ノスタルジックで、”どこか遠くへ”というオヤジ世代の放浪本能に見事に応えてくれるというロードバイクである。
カレーを食べに行こうと私を誘ったのは、ランニングチームのキャプテンKさんである。このブログにはちょくちょく登場してもらっている。桂川の水も沸騰しそうな酷暑の中、自転車道を南へ下った。
奈良公園。暑さのせいか、鹿たちの姿も疎らだ。相変わらず外国人旅行者は多い。大仏殿をすり抜け、東大寺の参道から南へ。
春日山の麓、飛火野の南あたり。古都らしく趣ある土塀が連なる一角にその店はあった。軒先にカレー『まんま亭』とある。ここが自転車乗りが集まる店であることは一目瞭然である。なにせ店先はロードバイクで埋め尽くされている。
客席は多くない。店の外では、何人かが順番を待っている。我々二人は、どこかの自転車乗りたちと相席である。店内のお客は全員サイクルジャージ姿。もちろん自転車に乗らない一般の客が来店してもいいハズだが、まず入り難いだろうと思う。いや、そういう問題では無くて、店の方が来て欲しい客のカテゴリーを指定している、そういう店だ。
私はチキンカレーを頂いた。煮込まれた鶏の骨付もも肉はスプーンで外れた。ペロリと完食。残したのは骨と皿。美味しいカレーだった。
京都方面に帰る訳だが、昼下がりの陽射しはもう殺人的。帰りの道は、自転車道を避けたいと考えていた。