ニッチな季節とハートの窓

ニッチな季節とハートの窓 | 竹輪野地球の公転に合わせて、季節の歯車はギリギリと動いている。お前は見たのかと言われそうだが、たぶんそうだ。本当の夏が来る前のニッチな時期、気まぐれな梅雨前線が差配する天候は、なんでもありだ。奇術師の手業よろしく、雨雲、降水、太陽、寒暖、虹、落雷と変幻自在である。曖昧で難解な節気に、四季の深淵を見るようだ。

梅雨雲が太陽を隠した日曜日、国道307号をドライブした。座ったのは、サドルではなく運転席で、握ったのは丸いハンドル、踏んだのはアクセルペダル、助手席には家人である。琵琶湖のすぐ足元を横断する国道307号は、ローディーたちが行き交う人気の道である。信号が少なく適度なアップダウンがあるワインディングロードは湖東へと延びる。

夏も近づく八十八夜。。梅雨に磨かれた新緑が深まる宇治田原は折りしも、新茶のシーズンである。茶畑を縫って行く国道のあちこちに『新茶』の幟が立っていた。隣の家人が言う行き先は、宇治田原と信楽の山間にある小さな寺である。

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奥山田集落

奥山田川が流れる渓筋の集落にその寺はあった。正寿院は高野山真言宗の古刹。拍子抜けするほど小さな寺である。集落にあるのは、民家と茶畑と製茶工場、その先は行き止まりである。

そんな過疎集落の山寺に、多くの参拝客が来ていた。タクシーやバスで来る客も多いようだ。大方が女性である。見たところ年齢層は、若い人からそれなりの年配者まで幅広い。

本堂とは別棟の客殿に、猪目窓(いのめまど)と言われるハート型の窓があった。ご婦人方のお目当ては、その窓である。『幸せを呼ぶハートの窓』というメディアとSNSによる情報拡散で、わんさかと人が押し寄せている。京都の寺院はどこもそうだが、善くも悪くもネットの威力は絶大だ。なんでも来月は『風鈴祭り』があるとの事。参拝料は、お茶付きで500円也。

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