女優と彼岸花

季節の変わり目である。朝晩は冷え込むようになってきた。暑かったり、寒かったり。寝る時に何を被ればいいのか。やっと最近、寝間着を短パンから長いスウェットに変えた。

西山の麓、大原野の田園では、稲穂が実りの頭を垂れている。それを乾いた風がユサユサと揺らす。空を見上げれば、並んだイワシ雲が秋の到来を告げていた。

秋ともなれば、オヤジは辺りを放浪する。駆るは、四季の変化を股間の筋肉と鼻の粘膜から感じさせてくれるという自転車である。西山山麓は坂道が多いから、時速は20キロかそれ以下だ。そんな速度に夢中である。肺に酸素を取り込み、ペダルを踏んで観る景色はもう麻薬だ。

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ギラギラの太陽と75年の節目の夏

ギラギラの太陽に焼かれる日々である。凶暴に発達した太平洋高気圧に包囲された日本列島は茹で蛸のように赤い。暖められた空気が上昇気流を造り、絵に描いた様な積乱雲が出現する8月の空である。コロナ禍に加えて連日の酷暑で朦朧とするオヤジだが、川の水で頭を冷やして雑感を記す。

京都五山の送り火が終われば京都の暑さも峠という事らしいが、そうなるように期待したい。その「大文字」の送り火は、今年に限っては六ヶ所だけが点灯した。松明も密集しないようソーシャルディスタンスという訳だ。お盆の夜空に浮かび上がったのは、ちょっと薄暗いコロナバージョン大文字だった。

テレビの報道番組を観るが、PCR検査をするの、しないの、どうするの、未だにやっている。どこまで行っても着地点は無い。もうウンザリである。ひとつ言える事は、「検査する 隔離する」という基本動作を最初から怠った付けまわしが今来ている。この国の感染対策は、他のアジア諸国と比べても、最低のデキだという事だ。

しかも政府の対策があまりに酷い、アベノマスクにGotoキャンペーン、どんなに批判されようが、利権をせしめる事は決して止めない。感染者が増えようが、死人が出ようが、お構いなし。為政者たちは「我田引水」に明け暮れている。デタラメな大本営発表のもと破滅へと突き進んだあの時代を彷彿させる。

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ステイホームと#検察庁法改正法案に抗議します

ステイホーム週間となったゴールデンウィークは、比較的いい天気だった。近所を散歩したり、自転車漕いだり、料理をしたり、家飲みしたり、そんな具合の休日だった。そして明けるハズだった”緊急事態期間”は延長となった。アジア諸国の大方は、危機を脱したようだが、この国は未だコロナウイルスの歯牙に捕まったままである。今回も無責任は承知で、湧き起る雑感をしたためる。

 

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十輪寺のなりひら桜とコロナウイルス

コロナウイルスの影がひたひたと忍び寄る3月最後の土曜日のこと。地元の桜を観ようと、家人を連れて散歩した。訪れたのは十輪寺(別名 なりひら寺)。大原野の峻峰、小塩山の麓にある十輪寺は、平安時代の粋なオヤジ在原業平の別邸だった場所である。夏の初めには紫陽花が咲く坂道の参道の先に、そう広くない境内がある。

本殿と回廊に囲まれて枝垂桜の古木が立っている。樹齢約200年の”なりひら桜”である。母屋の畳で寝転んで桜を見ろとの事なので横になった。眠ってしまいそうだった。

在原業平が活躍した平安時代は天然痘や麻疹(はしか)など多くの疫病があったと伝わる。平安時代は遣唐使で大陸との交易が盛んになった時代である。その事と疫病の蔓延は無関係ではないらしい。人の往来が疫病を運ぶ。それは今も昔も同じだ。

今現在、世の中はコロナウイルスが猛威を振るっている。どうやら京都にも緊急事態宣言が布かれそうだ。近畿の中心である大阪、神戸、京都の三都は、なす術もなくコロナウイルスの顎にくわえられてしまった。ブログ更新をほったらかしていた大原野の自転車オヤジが、またまた無責任は承知で雑感を述べる。
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12月の決戦

決戦である。立命館パンサーズvs関西学院ファイターズ。大学アメフト日本一を決める甲子園ボウルの出場権を掛けた大一番である。

師走の青空が広がった万博記念競技場は、ほぼ満席の盛況ぶりだ。青春時代を衣笠で過ごした盟友のMと一緒にスタンドの上段を陣取ったのは、キックオフの5分前だった。立命館側スタンドはえんじ色に染まる。対する関西学院は青色である。

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山本太郎の話

投票日前の金曜日、妻と娘を連れて期日前投票に行った。比例代表の投票用紙には『山本太郎』と書いた。私はもう長らく”太郎党”ではあるが、投票用紙に名前を書いたのは、この日が初めてだった。

山本太郎は自分の議席と引き換えに、2人の重度障害者を国会に送り込んだ。これまでの常識からすればあり得ない事である。そして、4月に立ち上がったばかりのれいわ新選組は政党に昇格した。あいも変わらず、自民・公明の組織票で固められた結果にはウンザリするが、山本太郎率いるれいわ新選組の躍進は希望の光だ。またまた大風呂敷は承知の上で、先の選挙と政局について雑感を述べる。

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