映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観終わった時、私は泣いていた。悲しいからではなく、ラストのライブシーンを観て、気持ちが高揚して涙腺が崩壊したのだ。歳のせいで涙腺が弱っているにしても、ポロポロ止まらない。昭和オヤジの心を揺さぶった映画「ボヘミアン・ラプソディ」について少し雑感を述べたい。
在日コリアンにとって祖国とは微妙なものである。韓国では半分日本人のように見られ、差別的な扱いを受ける。というのは、よく聞かれる話だ。とどのつまり、日本人でもない、韓国人でもない、中途半端な存在なのだ。「ボヘミアン」という言葉には、ボヘミア地方(チェコの西部)の人いう意味もあるが、祖国の無い人、放浪する人、という意味があって、後者の意味で使われるのが大方である。行き場のない無国籍人。そういった意味では、在日コリアンとボヘミアンは符合する。