雲ひとつ無い青空が現れた。大陸性の高気圧が乾いた風を吹かせて、太陽は柔らかい陽射しを注いでいる。実りの頭を垂れていた稲は刈り取られ、柿畑のソレは順調に色を変えつつある。
大原野は秋本番である。朝夕の冷え込みが心地良い今時が、自転車放浪が命綱のオヤジにとっての絶好期である。
西山連峰の麓。高速道路を見渡す丘陵地。農道の脇に秋桜が群生していた。毎年咲く場所だ。青空に薄いピンクが映えている。
およそパソコンで、「こすもす」と入力しても「秋桜」とは変換してくれない。秋桜は本来、”あきざくら”と読む。秋桜(コスモス)を定着させたのは、山口百恵が歌ったあの歌である。