初冬の青空とストーブの点火

OLYMPUS DIGITAL CAMERA風はすっかり冷たく乾いている。大原野の丘陵をハロウィンカラーに彩った柿の収穫もすっかり終わった。紅葉はピークを過ぎて、広葉樹は刻々と葉を落としている。ナンだカンだと温かい11月だったが、下旬になってさすがにソレっぽくなって来た。テレビのお天気キャスターは、「寒い冬になる」と言った。

朝晩の冷え込みと引き換えに、晴天率は高い。キリリと締まった青空が現れたある日、ロングのサイクルパンツをはいて家を出た。駆るは勿論、健康診断でコレステロールの値を指摘されたオヤジの頼みの綱、ロードバイクである。

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夏も近づく狸うどん、抹茶アイスも食う -和束・信楽100キロ-

yoshiminemichi-nodo02晴天にめぐまれた5月の日曜日、家出した。駆るは、性懲りもなく、「俺もまだまだイケるんじゃないか」という50男の妄想と勘違いを見事に演出してくれるロードバイクである。この乗り物には、自動車メーカーがいくら燃費計算のインチキをやろうが、化石燃料の類はいっさい必要ない。乗り手が食ったモノ、それこそが燃料だ。巷では省エネだのエコだのと、命題のように聞かれる昨今だが、ロードバイクこそが、正真正銘、究極のエコマシーンである。

柳の新芽がまぶしい桂川。5月の日曜日ともなれば、自転車道はサイクリスト達で盛況だ。この日は有難い事に同伴者がいた。同級生のランニングサークルを率いるKさんである。どこへ行こうか、何を食べようか、などと話をしながらペダルを進めた。

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発熱のブログ

日常の些細な出来事や感想を書き記したのがこのブログ始まりである。ふり返れば約11年前、まだブログという形式が世の中に浸透していなかった頃、もの珍しさだけで始めた日記だ。そんな事だから、私には、これといった目的意識や題材なんてのはもちろん無かった。

もともと自転車が好きでクロスバイクに乗っていた私は、何を血迷ったか、ロードバイクに手を染めた。脚が拘束されるビンディングペダルにビビッて、”立ちゴケ”で痛い目に遭いながらも、ロングライドを覚えた。それからというもの、書く記事の大方は、ロードバイクの事である。何とかのひとつ覚えで、自転車おやじが、どこかを走っては、適当な能書きを書く。そして今に至っている。

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自転車おやじのボンゴレロッソ

151018oe-kakibatake01乾いた秋空は、これでもかと言うくらい青い。ひとシーズンに何度もない快晴だ。そんな絶好の日和に、お気に入りのジャージを着て、家を飛び出した。駆るは、もちろん例のアレだ。

ニソト(京都第二外環状道路)の大原野インターチェンジがある辺りは、大枝山と言って、もともと柿畑だった場所だ。10月も半ばを過ぎた頃、今年もタワワに実った富有柿が丘陵地を彩る。秋の富有柿は、春の筍と並んで、洛西の目玉である。

西山々麓、大原野。田畑と竹林を縫って続く細い坂道に、民家、神社、ため池等が点在している。麓を貫いた高速道路の橋脚が連なっている事を差っ引いても、景色はまだまだ牧歌的だ。

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赤い満月とおやじローディになろうよ

oharano-supermoon日が暮れた東の空に赤い満月が昇った。大原野の丘陵地から観るスーパームーンである。薄い雲のベールを剥いで、満月は冷たく輝く。秋空の月は、大きく怪しげだ。ほんのひと月ぐらい前、バカみたいに燃えて暑苦しかった夏の太陽を思えば、秋の月は冷静で、繊細で、示唆に富んでいる。月の表情から何を読み取るかは、人それぞれか。

 

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安栖里から美山へ

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安栖里(あせり)駅で下車した。JR山陰本線には無人の駅が少くないないが、安栖里駅もその一つである。山を背にしてホームがあるだけで、駅舎のようなものはない。改札口もない。駅前といっても民家がちらほらだ。ホームの出口付近に切符の回収箱が置かれていた。

安栖里や和知あたりは由良川が造った河岸段丘の土地である。特に安栖里は、河岸段丘と扇状地が合いまって、見事な景色を見せている。駅のホームから見る対岸の段球面には、田植えが済んだ棚田と集落が広がっていた。

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